ビッグベンの歴史をわかりやすく知る|建設から鐘のトラブルまで解説

ロンドンの象徴、ビッグベンについて、旅先で役に立つ情報を中心にまとめました。歴史の流れや時計・鐘のトラブル、戦時中の扱い、見学方法や修復の経過までを、ガイドのような口調でわかりやすく案内します。観光計画を立てるときに役立つ実用的なポイントも盛り込みましたので、散策前にぜひ目を通してください。

目次

ビッグベンの歴史を短く押さえる4つのポイント

ビッグベン 歴史

この節では、ビッグベンについて知っておくべき重要点を短く4つに分けてまとめます。時間や名称、過去のトラブルや象徴性が分かるようにしています。

建設と完成の年代を押さえる

1859年に完成したのが現在私たちが見る時計塔周辺の主要部分です。ウェストミンスター宮殿が1834年の火災で焼失したのち、新しい国会議事堂の設計に合わせて時計塔が計画されました。チャールズ・バリー設計の新議会棟の一部として設計が進み、ゴシック・リバイバル様式の意匠が反映されています。工事は1850年代を通じて進み、鐘の据え付けや時計機構の調整を経て1859年に稼働が始まりました。塔と時計は当時の技術力を示す象徴であり、ロンドンの街並みに早くから溶け込んでいきました。

正式名称と愛称の違い

この建物の正式名称は「エリザベス・タワー」で、2012年の女王即位60周年を記念して改名されました。一方で「ビッグベン」は本来、塔の鐘(大鐘)に付けられた通称で、一般には塔全体や時計を指す言葉として広く使われています。旅行者が地元の人に尋ねる際は「Big Ben」と言えば通じますが、正式な案内や資料では「Elizabeth Tower」と表記されることが増えています。案内表示やチケットなどで名前が混在することがあるので、どちらも押さえておくと安心です。

時計と鐘の主な事故のまとめ

ビッグベンは長年にわたり何度かの故障や事故に見舞われてきました。初代の大鐘は搬入後にひびが入り、再鋳造された経緯があります。時計の駆動機構も幾度か調整や部品交換が必要になり、時には時計が止まったり遅れたりすることがありました。20世紀には戦時中の爆撃被害で一部が損傷したこともあります。現代では定期的な点検や大規模な改修工事が行われ、維持管理体制が整えられていますが、長寿命の機械ゆえに注意深い保全が続いています。

現代に残る象徴の理由

ビッグベンはロンドンとイギリスを象徴する存在で、政治や文化の象徴として国内外で知られています。ラジオ放送や映画、観光ポスターなどで繰り返し登場し、人々のイメージに刻まれてきました。近年の改修や名称変更を経ても、その視覚的存在感や音で慣れ親しまれた鐘の響きは変わらず、人々が集まる場や記念行事の中心になることが多いです。観光地としての人気も高く、周辺の見どころと合わせて訪れるとより楽しめます。

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建設と初期の出来事を振り返る

ビッグベン 歴史

ここでは、ビッグベンがどのように誕生したかを段階ごとに整理します。設計や素材、初期の鐘の扱いなど、当時の状況がわかるようにまとめました。

焼失した宮殿からの再建計画

1834年の大火で旧ウェストミンスター宮殿はほぼ焼失し、議会機能の再建が急務となりました。被災後すぐに再建計画が立ち上がり、新しい国会議事堂の配置には議場や事務空間のほか、象徴的な塔を設ける構想も含まれていました。再建は国家的プロジェクトとして取り組まれ、設計競技や委員会による審査を経て最終的な方針が固められていきました。議会の機能性と威厳を両立させることが重要視され、塔は街のランドマークになるよう意識されて設計されました。

設計者と採用案の決定経緯

国会議事堂の主要設計はチャールズ・バリーが担当しました。内部空間や外観の整合性を図るため、細部はギルバート・スコットらと連携して進められました。時計塔の具体的なデザインは、ゴシック・リバイバル様式の意匠に合わせて決定され、装飾やプロポーションについては議会関係者や技術者の意見が反映されました。設計案は実用面の検討も重ねられ、重量や構造の制約を踏まえた上で採用されました。

時計塔の構造と素材の選択

塔はレンガと石材を組み合わせた構造で、外装は細かい彫刻や装飾を施した石材で覆われています。重量物である鐘や機械を支えるため、内部は堅牢な鉄骨や石の基礎で補強されています。耐久性と美観の両立が図られ、屋上や塔体の通風や排水も考慮して設計されました。素材選びでは当時入手可能な良質な石材が優先され、維持管理のしやすさも念頭に置かれました。

初代鐘の鋳造と搬入の様子

当初鋳造された大鐘は非常に大型で、搬入と据え付けは大がかりな作業になりました。現地での据え付けの際、吊り上げや搬入経路の調整に苦労した記録が残っています。搬入後、試し打ちを行ったところ、ひび割れが発見され、再鋳造が必要になりました。再鋳造された鐘が無事設置されるまでには時間がかかりましたが、その後は規則的に鳴らされるようになりました。

完成当時の式典と反応

時計塔と大鐘の稼働が始まると、当時の新聞や訪問者からは注目を集めました。完成式典では議会関係者や市民の関心が高く、塔の姿は新しい時代の象徴と受け止められました。周辺で撮影や見学をする人々が増え、すぐにロンドンの名所として定着しました。初期の評価は概ね好意的で、塔の存在は都市景観を引き締める要素となりました。

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時計と鐘がたどった主なトラブルの軌跡

ビッグベン 歴史

長い稼働の中で時計と鐘はさまざまな問題に直面しました。ここでは主要なトラブルを時系列で追い、どう対応されたかを説明します。

時計組み込み時の技術的困難

19世紀中頃の機械技術で巨大な時計を精密に作動させるのは大きな挑戦でした。振り子や歯車の精度、温度変化への応答、潤滑の確保など多くの技術的課題がありました。設置時には微調整が繰り返され、動作の安定化に時間がかかりました。当時の技師たちは試行錯誤を重ねながら、長時間の稼働を保てるよう調整を進めていきました。

部品が大きすぎて入らない事件

鐘や一部の機構部品は輸送・搬入時にサイズが問題になることがありました。塔内部の通路や階段、取り付け架台の寸法が限られるため、現場での工夫や分割搬入が必要になった例が知られています。特に最初の鐘搬入時には、部品が通らず追加作業で再設計や据え付け手順の変更が行われました。こうした経験が後の整備計画に生かされ、搬入経路の確認や部品寸法の調整が標準化されました。

初代鐘のひび割れと再鋳造

最初に設置された大鐘はテスト打鐘の際にひび割れが発見され、使用不能となりました。ひびの入った鐘は音質も悪く安全性の面でも問題があったため、再鋳造が決まりました。再鋳造後の鐘は材料や鋳造方法を見直し、改良が加えられて設置されました。その後は定期的に点検が行われ、ひび割れの再発を防ぐ対策がとられました。

時計が止まった著名な出来事

過去には大雪や極端な低温、機械故障などで時計が遅れたり停止したりしたことが報告されています。特に注目されたのは、重要な国事行事や戦時中に時計が止まった際の報道で、人々の注目を集めました。停止時には予備の方法で時間を伝える対応が取られ、修理期間中は代替手段で時刻情報を保つ工夫が施されました。

長期停止時の修理対応

大規模な故障や改修では長期にわたって鐘や時計が鳴らされない期間が生じます。その際は機構の全面分解、歯車や軸受けの交換、振り子の再調整といった大掛かりな作業が行われます。修理は専門の技師チームが段階的に進め、部品の精度検査や耐久性の確認を経て再稼働へと向かいます。修理期間中は観光や放送スケジュールに影響が出るため、事前に公表されることが多いです。

正確さを守るための工夫

時計の時刻精度を保つために、微調整用の小さな砲弾錘(おもり)を振り子に取り付けるなどの方法が用いられました。温度変化による誤差を抑えるための材料選定や、潤滑剤の選定と定期交換も重要な対策です。さらに定期点検スケジュールを厳守することで、予兆的に不具合を見つけて対処する体制が整えられています。これにより長年にわたって高い精度が維持されてきました。

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戦争と文化での役割が変わる過程

ビッグベン 歴史

ビッグベンは戦時中やメディアを通じて、象徴としての意味を深めていきました。ここでは被害や保存、文化的な広がりを見ていきます。

第二次大戦での被害と保存対応

第二次大戦中、ロンドンは空襲の被害を受けました。ウェストミンスター周辺も被災し、塔の一部や周辺建築が損傷した記録があります。重要文化財としての扱いから、損傷部分の保護や修繕が優先的に行われました。鐘や時計機構は可能な範囲で保全され、戦後は修復計画に基づいて復旧が進められました。この時期に取られた保存措置が、後年の保全方針の基礎になりました。

ラジオ映画で広まった象徴性

20世紀に入ると、ラジオ放送や映画、写真でビッグベンは繰り返し登場し、世界的に認知されるようになりました。放送開始時刻や正午の鐘の音は、ラジオ番組で使われることもあり、遠方の人々にも馴染み深い存在になりました。映画やドキュメンタリーでの登場はイメージを強化し、国際的な観光資源としての地位を高めました。

国内行事での鐘の使われ方

国賓の来訪や国家的な式典、追悼行事などで鐘が打たれることがあります。鐘の音は式典の雰囲気を高める役割を果たし、重要な出来事の際には特別な鳴らし方をする場合があります。行事に合わせて音の回数やタイミングが調整されるため、訪問時に偶然式典に遭遇することもあります。そうした場面は訪問者にとって印象深い体験になります。

文学や映画での登場例

ビッグベンは多くの小説や映画、テレビドラマに登場します。ロンドンを舞台にした作品では都市の象徴として使われ、物語の時間経過や情景把握の手掛かりになることが多いです。観光で訪れる際は、好きな作品と照らし合わせて場所を探してみると楽しみが増します。

世界遺産登録までの流れ

ウェストミンスター宮殿と周辺一帯はユネスコの世界遺産に登録されています。登録は建築的価値や歴史的背景、都市景観への貢献が評価された結果です。ビッグベンはその中心的要素として、保全基準に基づいた管理が求められています。世界遺産登録は訪問者にとっても保全の重要性を意識するきっかけになります。

見学と観光が伝える地域との関わり

塔の周囲は観光スポットが密集しています。見学の情報や写真スポット、アクセス方法をまとめて案内します。

国会議事堂ツアーの基本情報

国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)内のツアーは、事前予約が必要な場合が多いです。イギリス国民向けのツアーと外国人向けのツアーで内容や料金、申込方法が異なることがあります。訪問前に公式サイトで開館日やツアーの時間帯、予約方法を確認してください。セキュリティチェックがあるため身分証の提示が求められることもあります。ガイド付きの内部見学では議場や歴史的な部屋を案内してもらえますが、塔自体の内部見学は人数制限や年齢制限があることが多いので注意が必要です。

見学可能範囲と制限

一般的に塔内部そのものへの入場は制限があり、事前手続きや特別ツアーが必要になるケースがあります。外観見学や周辺の散策は自由ですが、敷地内には立ち入り制限区域があるため表示に従ってください。改修工事中はアクセスがさらに制限されることがあるので、訪れる予定日の直前に公開情報をチェックするのがおすすめです。

写真スポットとおすすめの時間帯

写真を撮るなら国会議事堂とテムズ川を背景にするスポットがおすすめです。特に西側のテムズ川沿いからは塔全景がよく見えます。朝の柔らかい光や夕暮れ時のゴールデンアワーは建物のディテールが映えます。観光ピークの昼間は人混みが多いため、ゆっくり撮影したい場合は早朝か夕方を狙うと落ち着いて撮影できます。

アクセス方法と現地での注意点

最寄りの地下鉄駅はウェストミンスター駅で、Jubilee、District、Circle線が利用可能です。駅からは徒歩数分で到着します。週末や祝日は観光客が集中するため、混雑対策として公共交通機関の時間に余裕を持って行動してください。手荷物検査や持込制限がある場所もあるため、スーツケースなど大きな荷物は避けるのが無難です。周囲には多くの観光客がいるので、スリなどの軽犯罪に気を付けつつ楽しんでください。

修復と保存の取り組みの歩み

長年の維持管理の取り組みを紹介します。近年の大規模改修や近代化、観光に与えた影響について説明します。

大規模改修の開始と期間

近年、塔の老朽化に対応するため大規模な改修工事が行われました。外装の補修、石材の交換、屋根や排水設備の修理などが含まれ、工期は数年に及ぶことが一般的です。改修期間中は鐘の鳴動停止や見学制限が設けられる場合があるため、訪問予定がある場合は工事情報を事前に確認してください。長期的な保存を目的とした計画的な工事が、将来の世代へ引き継ぐために重要視されています。

改修で行われた主要工事

改修では劣化した石材の取り替え、金属部材の防錆処理、ガラスや装飾部の修復、内部の階段や床の補強などが行われます。また時計針や文字盤の修復、電気設備の更新なども含まれることがあります。これらは見た目の修復だけでなく、安全性や耐久性を高めるための工事です。作業は段階的に進められ、専門職の技術が活かされています。

時計機構の近代化と部品更新

時計機構については、主要な歯車や軸受けの交換、潤滑システムの改善、電子的監視システムの導入などが進められました。元来の機械式の良さを残しつつ、遠隔監視や安全停止機構を加えることで保守管理が容易になっています。部品は可能な限り伝統的な設計を尊重しながら、寿命延長と精度維持を目指して更新されています。

保存と安全対策の導入例

防火対策や耐震補強、巡回点検の頻度増加、保存環境の管理などが導入されています。さらに訪問者の安全を守るためのバリケード設置や監視カメラの導入も進みました。保存方針では材料の選定や修復手順に関するガイドラインが整備され、長期的に建物を守るための体制が確立されています。

改修が観光に与えた影響

改修工事により一時的に見学が制限されることがありますが、終了後は修復された美観や改善された設備が訪問体験を向上させます。工事中の情報発信は観光計画に役立ち、訪問者が安全で快適に過ごせるよう配慮されています。保存活動そのものが観光のテーマになり、修復工程を紹介する展示や解説が行われることもあります。

ビッグベンの歴史を振り返って見えてくる大切な点

最後に、ここまでの内容から旅行者として覚えておきたいポイントをまとめます。建築・機械・文化の面で長く愛される理由に触れます。

ビッグベンは単なる時計塔ではなく、政治や文化、都市景観と深く結びついた存在です。度重なる修理や改修、戦争やメディアの影響を経て、今の姿が保たれています。訪れる際は外観や周辺の景色を楽しむだけでなく、修復や保存の努力にも目を向けてみてください。周辺は見どころが多いので、時間に余裕を持って歩くとより良い発見があります。行く時間帯や混雑状況を考慮して計画を立てれば、落ち着いて名所を堪能できます。

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この記事を書いた人

アルルのアバター アルル アルル制作所 取締役

世界中を旅するクリエイターのアルル。
美しい風景、素敵なショー、現地ツアーをとことん楽しむ旅行情報を発信。一人でも多くの人に親子旅や女子旅を楽しんでもらえるよう、世界の素敵な風景やスポットをご紹介。
アルル制作所 岩永奈々が運営。

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