世界遺産が最初に登録された12か所を巡るガイド

世界遺産のリストが初めて公開された1978年は、旅好きにとって地図の見方が変わった年です。ここでは最初に登録された遺産たちを中心に、その背景や登録の流れ、地域ごとの代表的な場所、訪れる際の実用的な準備やマナーまで、親しみやすく案内します。旅の計画に役立つ情報を、読みやすくまとめました。

目次

世界遺産が最初に登録された12か所をまず押さえる

世界遺産 最初

1978年にリストインした12か所は、世界遺産制度の出発点として多様さと価値を示しています。観光プランを立てる際にまず目を通しておくと、各地域の魅力や保存の課題がよく分かります。

1978年に12か所が登録された

1978年の最初のリストには、自然と文化の両面で重要な12か所が含まれていました。北米からアフリカ、ヨーロッパ、南米まで幅広く選ばれ、どれも地域の象徴となっている場所です。これらは当時から学術的・観光的関心を集め、保存と活用の基準を立てる役割を果たしました。

観光客としては、それぞれの遺産が持つ見どころと観光インフラの発展度合いが違う点に注意してください。たとえば国立公園タイプは自然歩道やビジターセンターが充実している一方、歴史地区や宗教施設はアクセスや見学時間に制限がある場合があります。

訪問前には開館時間、入場料、予約の要否、現地ガイドの有無をチェックしておくと当日の滞在がスムーズになります。世界遺産には保護上のルールが設けられていることが多く、撮影禁止区域や立ち入り制限がある場所もありますので、現地の表示やスタッフの案内に従ってください。

自然遺産と文化遺産のバランス

最初の登録リストには自然遺産と文化遺産の両方が含まれており、このバランスは世界遺産制度の特徴のひとつです。自然の場が持つ生態系の価値と、人が作り出した建築や都市景観の価値が並列に扱われています。

自然遺産では景観や希少な生態系、固有種の保護が重視されます。訪問者としてはトレイルのルートや立ち入り制限に従うことが生物多様性の保全につながります。文化遺産では建造物の保存状態や景観の回復、伝統的行事の保護などがポイントです。古い石造りの建物や宗教施設では触れたり座ったりすることが禁止されている場合があります。

双方に共通するのは「訪れる数をコントロールする」仕組みが必要だという点です。人気の遺産では入場制限や時間帯別予約が設けられることがあるので、事前に確認して計画を立てると良いでしょう。

海外で特に人気の代表例

1978年登録の中には、海外の旅行者に長く愛されている場所がいくつもあります。イエローストーンやガラパゴスのような自然系は野生動物の観察が魅力で、アーヘン大聖堂やクラクフ歴史地区のような文化系は歴史散策が楽しめます。

人気の高いスポットは季節ごとの混雑が激しいため、オフシーズンや平日を狙うと落ち着いて見学できます。人気のツアーやガイドは早めに予約が埋まるので、行程が決まったら早めに手配してください。

また、人気エリアでは地域経済に与える影響が大きいため、地元のルールやガイドラインを守ることが重要です。土産物の購入や施設利用を通じて地域に還元することも、旅の楽しみの一つになります。

保存と観光の関係を簡単に見る

世界遺産は保存が主目的ですが、観光との両立が求められます。観光収入は保存活動の財源になりますが、過度な観光は損傷を招きます。管理当局は入場制限や修復計画、環境モニタリングを導入してバランスを取っています。

旅行者としてできることは、最低限の行動ルールを守ることです。ゴミを持ち帰る、指定ルートから外れない、保護区での餌付けをしないなどは、遺産を次世代に残すために役立ちます。見学の際に地元ガイドの説明を聞くと、保存活動への理解が深まり、協力の仕方がわかります。

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世界遺産が誕生した背景と登録の仕組み

世界遺産 最初

世界遺産制度は、文化と自然の価値を国際的に認め保護するために作られました。ここでは条約の目的や登録の流れ、審査の視点などをわかりやすく説明します。

ユネスコ世界遺産条約の目的

ユネスコの世界遺産条約は、重要な文化財や自然地域を国際社会で保護するための枠組みです。各国が候補地を推薦し、国際的な基準で評価された場所に「世界遺産」の称号が与えられます。

この条約の狙いは、国境を越えた価値の共有と保護の協力を促すことにあります。登録により注目が集まり、修復や保全のための資金援助、技術支援が得られることがあります。加えて観光振興にもつながるため、地域の活性化に役立つことが多いです。

ただし登録は保護の契約でもあり、登録後は管理計画の策定や定期報告が求められます。管理が不十分だと危機遺産リストに入る可能性もあるため、各国は保存責任を意識して運営しています。

登録までの基本的な流れ

登録の流れは、各国が「暫定リスト」を作成して候補地を選び、その中から正式推薦書をユネスコに提出するところから始まります。提出後は専門機関による現地調査と評価が行われ、委員会で最終決定が下されます。

推薦書には遺産の価値説明、保全・管理計画、境界の明示などが含まれます。現地評価では保存状態や環境の脅威、管理体制がチェックされます。承認されると世界遺産に登録され、一定の報告義務と保全措置が求められます。

登録までは数年かかることが多く、準備段階で地元自治体や専門家と連携することが成功の鍵になります。

審査で重視されるポイント

審査では「顕著な普遍的価値」が最重要視されます。これはその場所が地球規模で特別な価値を持つことを示す概念です。文化遺産なら建築様式や歴史的重要性、自然遺産なら生態系や景観の独自性が評価されます。

また保存状況や管理計画の現実性、脅威に対する対策も重要です。観光圧や開発計画、環境変化が遺産の価値を損なう恐れがある場合は、十分な保護策があるかどうかが審査されます。

審査は専門家の現地調査と専門機関の報告を基に行われ、公平性を保つために国際基準が適用されます。

初回登録のときの判断の特徴

初回登録では、多様な地域やタイプをバランスよく選ぶ傾向がありました。制度の立ち上げ期だったため、代表性の高い遺産を広く網羅することが重視されました。

また、当時は保存意識を高める意味もあり、保存状態が比較的良好で学術的に価値が明確な場所が選ばれることが多かったです。初回リストは制度の顔となるため、世界中の関心を喚起できる場所が優先されたと考えられます。

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北米で最初に登録された世界遺産を紹介

世界遺産 最初

北米には自然の壮大さや先住民文化の痕跡を伝える遺産が含まれています。ここでは最初に登録された代表的な場所を見ていきましょう。

イエローストーン国立公園

イエローストーンは間欠泉や熱水地形、豊かな野生動物で知られる広大な国立公園です。公園内にはグランド・プリズマティック・スプリングやオールド・フェイスフル間欠泉などがあり、季節ごとに異なる景色を楽しめます。

訪れる際は主要ビューポイントを結ぶ道路と駐車場の混雑に注意してください。野生動物観察は早朝や夕方がチャンスですが、距離を保ち双眼鏡を使うと安全です。園内は気候変動の影響も受けやすく、遊歩道や施設の状況が変わることがあるので最新情報の確認をおすすめします。

メサ・ヴェルデ国立公園

メサ・ヴェルデは断崖に築かれた先住民居住遺跡で、石造りの住居跡が群立する独特の景観が魅力です。保存状態が良く、当時の生活の一端に触れることができます。

見学は指定ルートやガイドツアーが整備されており、崖の住居内部に入れるツアーもあります。歩道は段差や狭い場所があるため歩きやすい靴で行くと安心です。夏は気温が高く日差しが強いので水分と帽子の準備をしておくと快適に回れます。

ランス・オ・メドー国定史跡

ランス・オ・メドーは北米の初期ヨーロッパ人と先住民の接触を示す史跡で、遺跡群や保存された地形が評価されています。歴史的背景を学びながら散策するには良い場所です。

訪問時は展示や解説パネル、ビジターセンターをまず訪ねると理解が深まります。天候が変わりやすい地域もあるので服装の調節がしやすい準備が役に立ちます。

ナハニ国立公園

ナハニはカナダ北部に位置する広大な自然保護区で、川や峡谷、滝などの景観が特徴です。水上活動やトレッキングが人気で、アクセスは限られることが多いですがそれが魅力でもあります。

訪れる場合は現地ツアーやライセンスを持つガイドを利用すると安心です。気候や野生動物への配慮、緊急時の連絡手段を確保しておくことが大切です。

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ヨーロッパで最初に登録された世界遺産を知る

世界遺産 最初

ヨーロッパには長い歴史を刻む建築群や鉱山跡などが含まれています。保存状態や観光の受け入れ体制が整っている場所も多く、見学の計画が立てやすいのが特徴です。

アーヘン大聖堂

アーヘン大聖堂は中世の皇帝戴冠式と深い関わりを持つ教会で、建築の多層性と装飾が見どころです。市の中心部にありアクセスが良く、観光案内所やガイドツアーが利用できます。

見学は開館時間や宗教行事のスケジュール確認が重要です。内部は写真制限がある場合があるので現地の表示に従ってください。周辺にはカフェや土産物店があり、散策も楽しめます。

ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群

ポーランドの岩塩坑は地下に広がる彫刻や礼拝堂が魅力のユニークな観光地です。坑内は年間通して比較的温度が安定しており、ツアーで巡るのが一般的です。

坑内は階段や長い通路があるため歩きやすい靴が役立ちます。坑道内の空気や湿度に敏感な方は体調に注意してください。事前予約で混雑を避けるとゆったり回れます。

クラクフ歴史地区

クラクフは中世からの街並みが残る歴史都市で、広場や教会、旧市街の路地歩きが楽しめます。観光スポットが徒歩圏内にまとまっているため、短い滞在でも満喫できます。

人気の観光ルートは混雑することがあるため、朝早く出かけるか夕方に散策するプランがおすすめです。博物館や教会は入場制限がある場合があるので、チケット情報を事前にチェックしてください。

見学前に確認したいポイント

ヨーロッパの遺産は保存ルールや開館時間が厳格なことが多いので、公式サイトや観光案内で最新情報を確認してください。アクセス方法、チケットの種類、写真や飲食の可否をチェックしておくと安心です。

また、混雑緩和のために時間帯別入場やガイド人数の制限が行われることがあります。公共交通機関の利用や徒歩での移動を組み合わせると、効率よく回れます。

南米とアフリカで最初に登録された世界遺産の見どころ

南米とアフリカにある初期登録遺産は、自然と歴史、宗教文化がそれぞれ豊かに現れています。遠方ですが訪れがいのある場所が揃っています。

ガラパゴス諸島

ガラパゴスは固有種の生息地として有名で、野生動物の観察が最大の魅力です。ツアーは上陸場所や人数が規制されているため、信頼できるクルーズや日帰りツアーを選ぶと良いです。

野生動物には手を触れず、餌を与えないことがルールです。天候や潮流が影響することが多いので、船の移動時間や酔い対策を準備しておきましょう。

キトの市街

エクアドルのキト旧市街は保存状態の良い植民地時代の建築群が魅力で、標高が高い位置にあるため高山症対策が必要な場合があります。ゆっくり歩く計画を立て、水分補給を意識してください。

街歩きでは教会や広場、博物館を巡るのが楽しいです。舗装の状態や坂道が多いので歩きやすい靴をおすすめします。

シミエン国立公園

エチオピア北部のシミエンは岩峰や高地の生態系が見られる国立公園です。山岳地帯のトレッキングや希少なアビシニアン・ワイルドキャットなどの観察が魅力です。

標高が高く天候が変わりやすいので、防寒着とレイヤリングを用意してください。道は未舗装の箇所もあり、ガイドの同行が安全確保に役立ちます。

ラリベラの岩窟教会群

ラリベラは岩を掘って造られた教会群で、宗教建築の妙が味わえます。祈りの場として現在も使われている場所があるため、礼拝時間や宗教行事に配慮した見学が必要です。

内部は靴を脱ぐ場所や写真制限があることがあるので、現地のルールを尊重してください。地元の信仰と歴史に触れる良い機会になります。

ゴレ島

セネガルのゴレ島は奴隷貿易の歴史を伝える場所で、記憶の保存と教育の場として重要です。島内は散策しやすく、ミュージアムや記念碑を巡ることで歴史を学べます。

訪問時はガイドの説明を聞き、歴史的背景を踏まえた態度で見学することが大切です。島内は歩いて回れる範囲ですが、日差し対策を忘れずに。

初回登録の遺産を訪ねる前に知っておきたい旅行と保存のコツ

世界遺産を訪れるときは、遺産を守りつつ楽しく回るための準備があると安心です。訪問時期やアクセス、マナーについて押さえておきましょう。

訪れるのに適した時期

観光シーズンや気候を確認して行程を組むと快適に過ごせます。高地や熱帯地域は気候変動が大きいので服装は調節しやすいものを準備してください。

混雑を避けたい場合はピークシーズンの前後や平日を選ぶと落ち着いて見学できます。野生動物の観察は繁殖期や季節移動の時期を調べると観察チャンスが高まります。

入場とアクセスの基本準備

入場には事前予約や時間指定が必要な場所が増えています。公式サイトや観光案内でチケット情報を確認し、必要なら早めに手配してください。

アクセス手段は公共交通、シャトル、ツアーなど場所によって異なります。駐車場の有無や最寄り駅からの所要時間も確認して、移動に無理がないプランを立てましょう。

現地で守るべきマナー

遺産の保存に貢献するには現地ルールを尊重することが重要です。立ち入り禁止区域には入らない、ゴミは持ち帰る、展示物に触れないなどの基本を守ってください。

宗教施設や記念碑では静かに見学し、写真撮影の可否を確認してください。地元のガイドやスタッフの指示に従うことは、地域に対する敬意にもなります。

観光が保存に貢献する事例

観光収入が保存活動に回されるケースは多く、入場料や寄付が修復や維持管理に役立ちます。地域の雇用創出や伝統文化の継承につながるプロジェクトもあります。

訪問者としては認定ガイドを利用したり、正規の入場手続きを踏むことで間接的に保全に貢献できます。お土産は地場産品を選ぶと地域経済の支援につながります。

1978年の最初の登録が残した価値と次に向けた視点

最初の世界遺産登録は、保護と観光の関わりを広く示しました。今日でもその意義は大きく、遺産を守りながら楽しむための考え方が続いています。

登録がもたらしたのは注目だけでなく、国際的な協力や保全技術の共有です。今後は気候変動や過剰観光への対応が重要な課題となっており、持続可能な旅行のあり方が求められています。

旅行者としてできることは、訪れる場所の価値を理解し、小さな配慮を積み重ねることです。そうした行動が遺産を未来に残す力になります。ぜひ計画を立てる際にはルールを守りつつ、遺産の魅力をゆっくり味わってください。

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この記事を書いた人

アルルのアバター アルル アルル制作所 取締役

世界中を旅するクリエイターのアルル。
美しい風景、素敵なショー、現地ツアーをとことん楽しむ旅行情報を発信。一人でも多くの人に親子旅や女子旅を楽しんでもらえるよう、世界の素敵な風景やスポットをご紹介。
アルル制作所 岩永奈々が運営。

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