北京や河北、山東など広い範囲にまたがる万里の長城は、どこをどう回ればよいか迷いがちです。ここでは地図を見ながら押さえておきたいポイントや、各主要区間の場所、移動ルートの作り方まで、旅先で役立つ案内を丁寧にまとめます。まずは全体像をつかんでから、行きたい区間を決めましょう。
万里の長城の全体図で最初に押さえたいポイント

ここでは長城を全体的に俯瞰するため、端点や長さ、主要区間の配置、地図上の目印、そして安全に関する確認事項を順に説明します。地図を見ながら読めば旅の計画が立てやすくなります。
長城が伸びる東西の端はどこか
万里の長城の東の端は遼東半島の山海関近く、老龍頭が一般的に起点として案内されます。ここは海に突き出した石の突端で、「天下第一関」と称される歴史的な見どころが並んでおり、地図上では秦皇島市の沿岸部で確認できます。
西の端は学術的に議論がありますが、甘粛省の嘉峪関が代表的な終点として観光案内に載ります。嘉峪関は広大な砂漠と山地の境界に位置し、地図上では河西回廊の入口に当たる場所です。両端は直線で結べるわけではなく、長城は断続的に延びるため、地図で各区間を追うとつながり方がよく分かります。
地図を見る際は、行政区(省・市)の境界と長城の痕跡が重なる場所に注目すると、アクセス手段や宿泊拠点を決めやすくなります。沿岸・山地・砂漠のどの地形に近いかで季節や服装も変わりますので、地形表示のある地図を使い分けると便利です。
地図に示される全長のおおまかな数字
万里の長城の全長は測定方法によって差がありますが、近年の調査では約2万1千キロメートル前後とされることが多いです。これは明・清以外の複数時代の城壁や堀、支城まで含めた数字で、単純に石造りの連続した壁だけを指すわけではない点に注意してください。
地図上で「万里の長城」と表示される範囲は調査や地図製作者によって異なります。観光地図は主に観光化された区間だけを載せるため、長距離の繋がりを把握するには衛星地図や歴史地図と照合するのがおすすめです。特に地方の古い区間は痕跡が薄く、衛星写真で山稜線に沿う痕跡を追うと長さの実感が湧きます。
旅行計画では、興味のある区間の地図上の距離や高低差を確認すると、移動時間や体力配分の目安になります。バスや列車で移動する場合は道路距離と混同しないよう、地図のスケールにも注意してください。
観光で回るべき主要区間の位置関係
北京周辺には観光向けの保存整備が進んだ区間が集中しています。地図で見れば、八達嶺は北京の北西約70km、慕田峪はやや東寄り、司馬台は北東方向に位置していて、これらは日帰りや一泊で訪れやすいと分かります。金山嶺は八達嶺と司馬台の間にあり、眺望が良いことで知られます。
山海関は遼東半島の先端に近く、海と接する位置にあります。嘉峪関は遠く西側にあり、北京起点のルートとは大きく異なる旅程になります。地図上で主要区間を結ぶ線を引けば、移動の効率や宿泊地の決め方が見えてきます。
観光計画を立てる際は、地形図で山の稜線や谷の入り口を確認するとルートの難易度が分かります。保存状態や整備状況も地図に注記されていることがあるので、訪れる区間ごとの情報を照らし合わせて移動計画を作ってください。
地図で見つけやすいランドマーク
長城周辺で地図上に分かりやすい目印には、主要な関所名(山海関、嘉峪関)、近接する都市(北京、秦皇島、張家口、承徳など)、主な道路や鉄道、山脈名があります。観光地図には駐車場やロープウェイ、展望台の位置が明記されていることが多いので、到着後の移動経路が把握しやすくなります。
ほかに、ダムや大きな湖、国道の番号、駅名も便利なランドマークです。スマホの地図アプリならピンを立てて移動時間を調べたり、ストリートビューで現地の様子を事前に見ることができます。地名の漢字表記と英語表記の両方をメモしておくと案内標識で迷いにくくなります。
旅行前に地図で確認する安全情報
長城周辺は山道や急坂、崩れやすい区間があるため、等高線や急傾斜を示す地図情報を確認してください。気象情報と合わせて雨天の崩落リスクや強風の情報もチェックすると安心です。都市部から離れた区間では携帯の圏外になる場所があるので、オフライン地図や紙の地図を持っておくことをおすすめします。
また、野生動物の出没や落石の注意がある地域は地図に注記されている場合があります。非常時の避難ルートや最寄りの集落・道路を確認しておくと、万一のときに行動しやすくなります。夜間行動は避け、日没前に下山する計画を立ててください。
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地図で見る主要エリアの位置関係

ここからは観光で人気の区間を一つずつ見ていきます。地図上の位置、アクセス、見どころ、注意点を順に説明しますので、行きたい場所をイメージしながら読んでください。
八達嶺の場所とアクセス方法
八達嶺は北京の北西、延慶区にあり、北京市中心部から車で約1〜1.5時間、鉄道や観光バスでもアクセスできます。地図では京承高速(G6)や八達嶺長城駅が目印になります。観光地として整備されているので案内表示が多く、初めての方にも分かりやすい場所です。
アクセス手段は、地下鉄+直通バス、観光バス、タクシーの組み合わせが主流です。季節や週末はかなり混雑するため、朝早く出発するか入場券付きのツアーを利用すると待ち時間を減らせます。地図上で駐車場やロープウェイの位置を確認しておくと、歩く距離を調整できます。
八達嶺は急な石段や人混みがある区間もあります。地図で入り口と出口、休憩所の位置を把握しておくと無理のない見学ができます。
慕田峪の場所と見どころ
慕田峪は北京の北東寄り、密雲区に位置し、北京市内から車で約1.5〜2時間です。地図上では八達嶺よりやや東にあり、緑が多く比較的静かな雰囲気が特徴です。保存状態が良く、塔楼が多く残っている区間が連なっています。
アクセスは自家用車やチャーター、ツアー利用が便利で、バス路線もあります。駐車場やロープウェイ・チェアリフトの位置が地図に載っているので、上り下りの負担を減らしたい場合はそれらの利用を検討してください。写真スポットが多いので、地図で展望ポイントを確認して撮影計画を立てるのがおすすめです。
混雑は八達嶺より穏やかなことが多いですが、週末は人が増えます。歩行距離と標高差を地図で確認し、帽子や飲料を準備してください。
箭扣の場所と歩き方の注意
箭扣(ヤオコウ)は北京市北東の山中、司馬台と金山嶺の間に位置し、地図では険しい山稜線上に点在しています。保存状態が野性的で、階段が崩れた箇所や急勾配が多いため、トレッキング愛好者に人気があります。
行くには公共交通だけでは難しい場所があり、ローカルの車やガイド、現地からの徒歩アクセスを使うのが一般的です。地図で入山口や帰路のルート、最寄りの集落を確認しておくと安心です。靴や装備はしっかりとしたものを選び、天候変化に備えてレイヤーを用意してください。
地図上で危険箇所や高低差を確認し、無理のない行程を組むことが大切です。単独行動は避け、経験者と一緒に行くことをおすすめします。
司馬台の場所と観光の特徴
司馬台は北京北東部の山地にあり、石送りのような屈曲が美しい区間です。地図で見ると、山海関方面へ延びる長城の起点に近く、険しい岩肌に沿って続くのが特徴です。断崖に沿った区間や保存の良い塔楼があるため、写真愛好家に人気があります。
アクセスは北京から車やツアーバスで約2時間前後が目安です。整備された部分と野生の部分が混在するため、訪問ルートを地図で確認し、ロープウェイや入退場口の位置を把握しておくと安心です。夜間の照明は限られるため日中の行動を基本にしてください。
金山嶺の位置と眺望ポイント
金山嶺は北京と河北の県境付近、海抜が高く稜線が連なる場所にあります。地図上では司馬台のやや北西に位置し、比較的保存状態が良く、長距離に渡って展望が開けるのが魅力です。全体的に起伏に富むため登り下りが多く、ハイキングルートとして人気です。
アクセスは北京から車で約2〜3時間。地図で登山口や展望台、宿泊向けの小さな村を確認しておくと、朝焼けや夕焼けの時間帯を狙う計画が立てやすくなります。歩きやすい靴と防寒具を用意してください。
山海関の位置と歴史的意義
山海関は河北省秦皇島市にあり、万里の長城が海に到達する地点として古くから要所とされてきました。地図では遼東半島の付け根に位置し、海に面した城門「老龍頭」や長大な関門群が目立ちます。歴史的には北方民族との境界や交易の要地として重要でした。
観光では城門群と海沿いの景色が楽しめます。周辺には博物館や古い街並みもあり、地図で駅や港の位置を確認しておくと移動がスムーズです。季節によっては強風が吹くことがあるため、防風対策をして出かけてください。
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古地図と現代地図で見る長城の変遷

長城は時代によって位置や形が変わってきました。ここでは古代から明朝まで、地図上でどう示されるかや変遷の見方を紹介します。歴史好きの方は古地図と重ねて眺めると興味深い発見があります。
秦代の長城の範囲と地図上の示し方
秦代に築かれた城壁は中央集権のもとで急ぎ築かれた線的な防衛施設が中心で、地図上では黄河以北の辺境を守るために点線や断続的な表記で示されることが多いです。現代地図と重ねると、河川や山稜に沿った防御線としての痕跡が見つかることがあります。
古地図では城壁の正確な位置が曖昧な場合が多く、考古学的発掘や衛星写真で痕跡を確認する作業が重要になります。地形図と合わせて見ると、当時の軍事上の要所がどこだったか把握しやすくなります。
漢代以降の拡張を地図で追う方法
漢代になると防衛線はさらに西へ延び、関所や支城が増えました。古地図では主要な交通路や要衝が強調されることが多く、地図上で城壁と当時の主要道を照合すると拡張の意図が見えてきます。現代の行政境界と比較すると、どの地域が重視されたかが読み取れます。
衛星地図や地形図で河川や谷間を挟んだ断続的な城壁の痕跡を探すと、漢代以降の延長路線を追いやすくなります。発掘成果や学術論文の図版を合わせると理解が深まります。
戦国時代の城壁分布の読み方
戦国時代は複数の国が並立していたため、それぞれの国が独自に城壁を築いていました。古地図では支配線や国境付近に多数の城塞や砦が描かれており、現代地図と比較すると地域ごとの防衛網の違いが読み取れます。
山岳地帯や河川に沿った城壁の配置は、当時の軍事戦略や物資の流れを示す手がかりになります。地図の縮尺や注記に注意して、複数の古地図を比較しながら見ると分かりやすくなります。
南北朝以降の位置の変化を確認する
南北朝以降は戦乱と政権交替が続き、城壁の維持・廃棄が頻繁に行われました。地図上では一部が放置され、新たなラインが作られた例が見えます。現代の遺構はこのような重なりの結果として残っていることが多いので、層状の痕跡を探すと歴史の流れが分かります。
古地図と現代衛星地図を重ねて、どの区間が更新されどこが放置されたかを比較するのが効果的です。地域ごとの気候や地形の変化も考慮すると理解が深まります。
明朝に整備された区間と現在の遺構
明朝は今日よく観光される長城区間を大規模に整備しました。地図上でも明朝のラインは明瞭に示されることが多く、塔楼や関所の位置が記載されている場合があります。現在観光されている八達嶺や慕田峪などは、この時代の補修が基になっている箇所が多いです。
現代地図で明朝の遺構を探すときは、石材やレンガ造りの痕跡が残る区間を示す注記や観光地登録を手がかりにしてください。案内板や博物館の図版も参考になります。
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地図を使った訪問計画と移動ルートの作り方

訪問計画は地図があれば格段に立てやすくなります。ここではオンラインとオフラインの地図の使い分け、衛星写真の活用、GPSの使い方、公共交通の確認方法、モデルルートの目安をお伝えします。
オンライン地図の使い分け方
Google Mapsは道路ルートや公共交通の検索が優れ、衛星写真とストリートビューも使えます。百度地図は中国国内のローカル情報やバス路線に強く、地名のローマ字表記が異なる場合に頼りになります。高低差や詳細な等高線が必要な場合は地形表示が充実した地図アプリを併用すると便利です。
それぞれの地図でピンを立て、到着時間や距離、所要時間を比較すると移動計画が立てやすくなります。観光地の混雑状況や入口位置の違いも地図ごとに表現が異なるため、複数の地図で確認してください。
オンライン地図は更新頻度や表示される情報が異なるため、最新の交通規制や工事情報もチェックすると安心です。出発前に移動ルートをスクリーンショットしておくと、現地で通信が不安定でも役立ちます。
衛星写真で遺構を見つける方法
衛星写真では山稜に沿う痕跡や直線的な壁の残影を見つけられることがあります。色の違いや影のつき方で壁の残り方を判断できるため、疑わしいラインを拡大して確認してください。季節によって植生が違うため、秋から冬にかけて葉が落ちた時期は痕跡が見つけやすいことが多いです。
また、衛星写真で登山口や駐車場、集落の位置を確認しておくと現地での移動がスムーズです。離れた区間をつなげる道や尾根伝いの小道も見つかることがあるので、複数の解像度で比較してみてください。
オフライン地図を用意する手順
海外では通信環境が不安定なことがあるため、オフライン地図の準備がおすすめです。使い慣れた地図アプリで対象エリアを事前にダウンロードし、主要ポイントにピンを立てておきます。紙の地図も念のため携行すると、バッテリー切れや端末故障の際に役立ちます。
オフラインで使う場合は、緊急連絡先や最寄りの村・道路の名前をメモしておくと安心です。地図データの更新日は出発前に確認し、古い情報に頼らないようにしてください。
GPS座標で正確に場所を特定する方法
訪れたいポイントの緯度経度をメモしておくと、現地で位置を素早く特定できます。地図アプリでピンを立て、その座標をコピーしてメモ帳や紙に書いておきます。オフライン時でもGPSは動作するので、端末の位置情報を有効にしておくと良いです。
座標は小数点以下4〜6桁程度までメモしておくと誤差が小さく、正確な塔楼や登山口にたどり着きやすくなります。複数のピンを保存しておけば、探検中の戻り道の目安にもなります。
公共交通でのルート確認と乗り換え案内の見方
公共交通を使う場合は、出発地から最寄り駅やバスターミナルまでの経路を地図で確認してください。中国国内では長距離バスや観光バスが主要観光地に直結することが多く、乗り場の位置や時刻を地図で確認しておくと乗り換えがスムーズです。
駅やバスターミナルから現地入口までの徒歩ルートやタクシー乗り場も地図にピンを立てておくと迷いにくくなります。切符購入や発車時間は変更されることがあるため、直前に運行情報を再確認してください。
人気区間のモデルルートと所要時間の目安
- 八達嶺:駐車場→長城入口→尾根沿いの往復観光 徒歩での観覧は2〜3時間が目安。ロープウェイ利用で1.5〜2時間程度に短縮可能です。
- 慕田峪:ロープウェイ利用の半日コース、徒歩で上ってゆっくり回ると3〜4時間程度。展望ポイントでの撮影時間も考慮してください。
- 司馬台〜金山嶺:トレッキングを組むと1日〜半日。稜線歩きや急な登り下りがあるため余裕を持った時間配分が必要です。
- 山海関:散策と史跡見学で2〜4時間。周辺の博物館や旧市街も合わせて回る場合は半日確保すると良いです。
これらはあくまで目安なので、地図で距離や高低差を確認し、歩行速度や休憩時間を加味して計画を立ててください。
地図で見て万里の長城へ出かけよう
旅は準備が安心につながります。地図を使って訪れたい区間の位置関係や移動手段を整理すれば、当日の迷いを減らせます。現地での安全確保や時間配分にも役立つので、出発前にしっかり確認して出かけてください。
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