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おでかけ

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キッコの村の学校にはたまりがありませんでしたから雨がふるとみんなは教室で遊びました。ですから教室はあの水車小屋ごやみたいな古臭ふるくさい寒天かんてんのような教室でした。みんなは胆取きもとりと巡査じゅんさにわかれてあばれています。

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「遁にげだ、遁げだ、押おさえろ押えろ。」「わぁい、指ゆび噛かじるこなしだでぁ。」
がやがやがたがた。

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ところがキッコは席せきも一番前のはじで胆取りにしてはあんまり小さく巡査にも弱かったものですからその中にはいりませんでした。机つくえに座すわって下を向むいて唇くちびるを噛かんでにかにか笑わらいながらしきりに何か書いているようでした。

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キッコの手は霜しもやけで赤くふくれていました。五月になってもまだなおらなかったのです。右手のほうのせなかにはあんまり泣ないて潰つぶれてしまった馬の目玉のような赤い円いかたがついていました。

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キッコは一寸すんばかりの鉛筆えんぴつを一生いっしょうけん命めいにぎってひとりでにかにかわらいながら8の字を横よこにたくさん書いていたのです。(めがね、めがね、めがねの横めがね、めがねパン、くさりのめがね、)ところがみんなはずいぶんひどくはねあるきました。

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