Claude CodeでMCPを使う freee編

Claude CodeでMCPを使うアイキャッチ画像

freee会計をMCPでつなぐと、「先月の売上推移をHTMLでまとめて」「未入金の取引先を一覧にして」のような自然言語の依頼から、経理レポートを自動生成できるようになります。この回では、freee MCPの追加・認証・最初のレポート作成までを通して体験します。

※ デモは架空の数値で作成したサンプルダッシュボードです。実際にこの章の手順を進めると、自社のfreeeデータで同じものが作れます。

はじめに確認する

この回では、freee会計の事業所データをMCP経由で読み出し、レポートとして書き出す流れを体験します。経理の作業をClaude Codeに肩代わりしてもらう感覚を、まずは小さく試します。

この回の作業フォルダ

レポート出力用に、専用のプロジェクトディレクトリを用意しておくと整理しやすくなります。

Windows: C:\aruru-code\freee-keiri

Mac: ~/aruru-code/freee-keiri

この回でやること

freee MCPをClaude Desktopに追加する、OAuthで認証する、接続確認をする、最初のレポート依頼を試す、の4つです。

この回で使う題材

freee会計のリモートMCPサーバー。事業所の取引・請求書・PL・BSなどに、決まったAPIエンドポイント経由でアクセスできます。

事前に必要なもの

freee会計のアカウント(読み取り権限)と、Claude Desktopアプリ。freeeのデータは取引先名・金額を含むため、レポートHTMLは社外と共有しない前提で運用します。

freee MCPを設定する

freee MCPは、ローカルで claude mcp add するタイプではなく、Claude Desktopの「カスタムコネクタ」機能からリモートMCPサーバーに接続するタイプです。OAuthを通してfreee会計の認可を得るので、APIキーをファイルに置く必要はありません。

設定はfreeeの公式ガイドに沿って進めます

エンドポイントURL・対応プラン・操作画面のスクリーンショットなど、最新の正確な情報は freee公式サポートページに掲載されています。下のボタンからfreee公式ガイドを開き、その手順を見ながらClaude Desktop側に設定を入れていきましょう。

追加するのは「カスタムコネクタ」と「スキル」の2つ

freee MCPの利用には、Claude Desktopに 2つのもの をセットで入れます。どちらもfreee公式ガイドの手順内でダウンロード/追加方法が案内されています。

① カスタムコネクタ(MCP)

freeeのデータにアクセスするための接続口。Claude Desktopの「Connectors」設定からエンドポイントURLを登録し、OAuth認可を行います。

② スキル(Skill)

freee操作の「使い方」をClaudeに教える追加パック。公式ガイドからダウンロードしてClaude Desktopに追加すると、自然な依頼文(例:「未入金一覧を作って」)から適切なAPIを選んで動いてくれるようになります。

どちらか片方だけでは挙動が不安定になります。コネクタ+スキルの両方を必ず追加してください。

大まかな流れ

1. freee公式ガイドの記載を確認(対応プラン・前提)
2. Claude Desktopの設定からカスタムコネクタを追加
3. ブラウザに飛んでfreeeのOAuth認可を完了
4. 公式ガイドからスキルファイルをダウンロードしてClaude Desktopに追加

つまずきやすいポイント

スキルの追加を忘れると、Claudeが「どのAPIを使えばいいか分からない」状態になりやすいです。カスタムコネクタを入れた後、必ず公式ガイドの案内に沿って スキルファイル も忘れずにダウンロード→追加してください。

セキュリティ

OAuthトークンはClaude Desktop側に安全に保管されるので、プロジェクトフォルダにAPIキー等を置く必要はありません。チームで共有するレポジトリにシークレットが漏れる心配がない構成です。

カスタムコネクタとスキルの両方を追加し終えたら、次のステップで「Claude Codeから本当にfreeeが見えているか」を確認します。

認証と接続確認をする

カスタムコネクタとスキルを追加したら、Claude Desktopのチャットから一言頼んでみて、freeeが本当につながっているかを確認します。面倒な手順は不要で、自然な日本語で聞くだけです。

確認用の依頼文

Prompt
freee の認証状態を確認して、ログインできている事業所の一覧を教えて

このひとことで、Claudeが裏側で freee_auth_status(認証が通っているか)と freee_list_companies(アクセスできる事業所一覧)の2つのMCPツールを呼び出してくれます。

こんな返答が返ってきたらOK

「freeeに正常にログインしています。アクセスできる事業所は次の通りです:株式会社〇〇(事業所ID xxxxxx)...」のように、あなたのfreeeアカウント名と、アクセス可能な事業所の一覧(事業所ID付き)が返ってくれば接続成功です。次のステップで、この事業所IDを使って対象法人を指定します。

うまくいかないときの見直しポイント

  • 「MCPツールが見つかりません」と返ってくる → カスタムコネクタの追加が反映されていない可能性。Claude Desktopは「×」ボタンで閉じても裏側で動き続けるため、ウィンドウを閉じるだけでは設定が読み直されません。
    → Windowsの場合:Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開き、Claude プロセスを右クリック →「タスクの終了」で確実に停止してから、もう一度Claude Desktopを起動して確認します。
    → Macの場合:⌘ + Q でアプリを完全終了してから再起動します(ウィンドウを閉じる「×」だけでは終了しません)。
  • 「どのAPIを呼べばいいか分からない」風の曖昧な返答 → スキルの追加を忘れている可能性。Step 2に戻ってスキルファイルを追加。
  • 「認証エラー」「トークンが無効」 → OAuthのやり直しが必要。Claude Desktopのコネクタ設定から再認可。

最初のレポートを作る

つながったら、いきなり大きなレポートを書かせるのではなく、「事業所を切り替える → 小さなデータを取る → HTMLにまとめる」の順で試すと安定します。

依頼 1:事業所を切り替える

Prompt
freee の事業所を 〇〇株式会社(事業所ID xxxxxx)に切り替えて

事業所IDは、Step 3で表示された一覧から拾います。これで以降の作業はこの法人のデータに対して行われます。

依頼 2:今月の売上を見る(PL)

Prompt
今期の月次PLを取得して、売上高の推移を月ごとに表でまとめて

Claudeが必要なデータを月単位で取りに行き、売上高・売上原価・販管費などを表にまとめてくれます。

依頼 3:未入金リストを作る

Prompt
未入金の売上取引(売掛金が残っているもの)を一覧にして、経過日数つきでHTML表に出力して。reports/unsettled_今日.html に保存してね

各取引の取引先名・金額・発行日・期日がまとまって返ってきます。30日以内/30〜45日/45日超 のように経過日数で色分けすると、督促候補がひと目で分かります。

依頼 4:取引先別の売上TOP10

Prompt
今期の売上を取引先ごとに集計して、TOP10をHTML表で出して

取引先ごとに金額を合計して、上位10件を表にまとめてくれます。

レポートが返ってきたら

HTMLファイルが reports/ 配下に保存されているはずです。ブラウザで開いて、数字や取引先名が想定通りかを確認します。違和感があれば「この取引は除外して」「期間を当期だけにして」のように追加で指示すると、修正版を作り直してくれます。

総合レポート(ダッシュボード)にまとめる

ここまでで「未入金リスト」「月次PL」「取引先別売上TOP10」のような単発レポートが作れるようになりました。これらを 左メニュー型のダッシュボード1ファイル にまとめると、毎月の経理確認が「ダッシュボード更新して」の一言で済むようになります。実際にアルル制作所の経理ダッシュボードを作ったときの流れを、そのまま再現できる手順としてまとめます。

完成イメージ

左メニューに「概要 / 月次推移 / 取引先別 / 未入金リスト / 月次イベント記録 / 会社情報」のようなページを並べ、それぞれにスコアカード・グラフ・テーブルを配置した 1枚のHTMLダッシュボードを作ります。管理画面ダッシュボードのワイヤーフレームと、明るい配色(パステル系)が経理画面と相性が良いです。

手順 1:まずダッシュボードを作ってもらう

難しく考えず、「こんなダッシュボードがほしい」 をそのままチャットでお願いします。最初から完璧を目指さず、ざっくり頼んでから直していくのが楽です。

Prompt
〇〇株式会社(事業所ID xxxxxx)の経理ダッシュボードを reports/〇〇/dashboard.html に作って。
左メニューで「概要 / 月次推移 / 取引先別 / 未入金リスト / 月次イベント記録 / 会社情報」を切り替えられる構成。
明るい気持ちになるパステル系の配色で、管理画面ダッシュボードのワイヤーフレームでお願い。

Claudeはこの依頼を受けて、freee MCPでデータを取りに行きながらHTMLを組み立て、指定したパスに保存してくれます。

手順 2:セクションを足していく/差し替えていく

最初の出力を見て、足りないところ・直したいところを1つずつチャットで追加依頼します。一度に全部直そうとせず、1セクションずつのほうが安定して仕上がります。

概要セクション

「当期売上 / 当期入金 / 未収金残高 / 目標達成率」をスコアカードで。前年同期比のサブテキストつきが見やすいです。

月次推移セクション

過去12〜24か月の売上を棒グラフ+折れ線(目標ライン)で表示。前年同月比のサブ表示があると流れが見えます。

取引先別セクション

当期売上を取引先ごとに集計したTOP10を表で。どこに売上が偏っているかが見えます。

未入金リストセクション

経過日数で「期日内 / 警戒 / 要督促 / 超長期」に色分け。除外したい取引先や処理済み取引があれば、その都度チャットで伝えれば調整してくれます。

月次イベント記録セクション

「売上 / 経費 / 体制 / 改善 / マイルストーン」のカテゴリ別に、ふだんと違う動きを記録。決算前の振り返りや税理士相談時の参考になります。

会社情報セクション

法人基本情報、BSサマリー(売掛金・預金・資本金など)、保留事案のメモを置く表示専用のページ。

手順 3:見た目を整える

セクションが揃ってきたら、見た目の違和感もチャットで指摘していきます。Claudeに具体的に伝えると、ピンポイントで直してくれます。

よくある調整依頼
- スコアカードのデザインを全ページで統一して
- 「¥17.35M」のM表記が分かりづらい。「万」単位にして
- 「FY2025」表記が分かりづらい。「前期 / 当期 / 次期」に変えて

このページの元になったアルル制作所のダッシュボードも、まさにこの調整を1つずつ依頼して仕上げました。

手順 4:仕上がったら「指示書を作って」とお願いする

ダッシュボードが満足のいく形になったら、ここまでのやり取りで決まったルール(除外取引・督促基準・売上目標など)を1枚の指示書にまとめておくと、来月以降ラクになります。指示書も自分で書く必要はなく、チャットで頼むだけです。

Prompt
ここまでの作業で決まった〇〇株式会社の経理ルール(事業所ID・督促基準・除外取引・売上目標・月次イベント記録など)を、companies/〇〇.md にまとめておいて。
来月この指示書を読めば、同じダッシュボードがもう一度作れる状態にしてほしい。

Claudeが会話の中で出てきた条件を拾い集めて、Markdown1枚にまとめて保存してくれます。次回以降のダッシュボード生成時、Claudeはこのファイルを読んで条件を再現します。

手順 5:翌月以降の運用

指示書が用意できたら、翌月からはこの一言で再生成できます。

Prompt(毎月の更新時)
〇〇株式会社のダッシュボードを最新データで更新して

Claudeが companies/{法人名}.md の指示書(除外取引・目標・イベント記録)を読み込み、最新のfreeeデータと突き合わせて、ダッシュボードを上書き更新してくれます。会計期間が変わった・売上目標を見直したいときは「指示書を更新して」と一声かければ書き換わります。

このページの元になっているプロジェクト

この章で紹介した手順は、実際に株式会社アルル制作所の経理ダッシュボードを作るために、人間(経営者)とClaudeのやり取りで段階的に組み上げたものです。完成までに数十回のキャッチボールがありましたが、できあがった指示書(companies/アルル制作所.md)と CLAUDE.md のおかげで、翌月以降は1コマンドで更新できるようになっています。同じパターンが他の法人にも流用できる、というのがこのワークショップで一番伝えたい部分です。

できたか確認する

最後に、この回でできるようになったことを短く確認しておきましょう。

01

Claude Desktopのカスタムコネクタにfreee MCPを追加できた

02

OAuth認可が通り、事業所一覧が取得できた

03

事業所を切り替えて、月次PLや取引一覧をClaudeから取得できた

04

未入金リストや売上TOP10をHTMLに書き出せた

運用上の注意

  • 取引データには取引先名・金額が含まれるため、レポートHTMLは社外と共有しないこと。

今回の作業まとめ

今回は、Claude Desktopのカスタムコネクタにfreee MCPを追加し、OAuthで認可、事業所を切り替えて、月次PL・未入金リスト・取引先別売上をClaudeにレポート化させました。経理ダッシュボードを毎月手作業で作っていた方なら、ここまでで「ダッシュボード更新して」の一言で済む土台ができたことになります。

次へ

レポートを毎月の運用に乗せるには、依頼文をテンプレ化し、対象事業所と除外取引のメモを CLAUDE.md に書いておくと安定します。プロジェクトディレクトリの整え方は次の記事をどうぞ。

次の記事へ進む
上に戻る