楽天RPP広告とは? 基本をおさらい
楽天RPP広告の仕組み
クリック課金型(CPC)
- 広告がクリックされるたびに料金が発生する仕組み。
入札制の仕組み
- 競合より高い入札を行うことで、広告が上位に表示されやすくなる。
楽天の自動最適化機能
- キーワードを手動で設定しなくても、楽天側が商品情報をもとに関連性の高い検索結果に自動で掲載してくれる。
楽天RPP広告管理画面メニューの説明

メニュー名 | 機能説明 |
---|---|
ホーム | 当月の予算・実績・ROASを表示 |
キャンペーン | 予算・CPCを設定する ステータス有効にできるキャンペーンは1つのみ |
商品・キーワード設定 | 商品ごとに商品CPC・キーワードCPCを設定する |
除外商品 | RPP広告に露出させない商品を登録する |
パフォーマンスレポート | 広告実績レポートを表示 |
ダウンロード履歴 | レポートのダウンロード |
メール受信設定 | 実績状況をメールに送る |
除外商品以外は全て広告配信される
RPP広告でもっとも分かりづらい仕様がこちら。
RPP広告管理 > 商品・キーワード設定に商品登録していなくても、除外商品に登録されている商品以外、在庫がある商品全てが広告露出されます。そのため、利益率の低い商品はあらかじめ除外商品登録をしなければいけません。
キーワードCPCは使わなくてもOK

商品・キーワード設定画面では、利益率の高い商品を登録して、入札単価を高くすることで露出機会を増やせます。
商品CPCは、商品ごとの入札単価を決めます。
キーワードCPCは、特定のキーワードの入札単価を決めます。
このとき、キーワードCPCは40円以上と高いため、商品CPCのみ設定することも可能です。
例えば、キャンペーンCPCが10円に設定していて、商品CPCを20円、キーワードCPCなし
という設定が可能です。
楽天RPP広告 CPCのクリック単価料金
楽天RPP広告でもっとも理解しておくべきポイントで、なおかつ分かりづらいのが3つのCPCです。
CPC(cost per click)は、広告商品をクリックしたときに課金される入札単価です。楽天RPP広告では、3つのCPCが存在します。
楽天RPPの広告枠は、オークション形式で決まります。つまり、同じキーワードやカテゴリで広告を出しているライバル店舗と競争になり、入札単価が高い商品ほど上位に表示されやすくなる仕組みです。
CPC種類 | 用語説明 | 最低価格 |
---|---|---|
キャンペーンCPC | キャンペーン全体のクリック単価 | 10円 |
商品CPC | 商品ごとのクリック単価 | 10円 |
キーワードCPC | キーワードごとのクリック単価 | 40円 |
キャンペーンCPC:キャンペーン画面にて設定可能(料金10円~)

RPP広告対象商品すべてに反映させる場合は、このキャンペーンCPCを設定します。
商品CPC:商品・キーワード設定にて設定可能(料金10円~)

商品ごとにCPCを設定したい場合は、商品・キーワード設定画面に商品登録を行い、上画像の商品CPCを変更します。
✔ まずは最低CPC(10円~)でテスト
最初は低CPCで設定し、広告のパフォーマンスを確認。効果がある場合のみCPCを引き上げる。
✔ 売れ筋商品のCPCを上げて優先的に配信
売上が伸びやすい商品には、CPCを少し高めに設定して露出を増やす。
✔ 利益率の低い商品は除外リストに追加
低利益率の商品にCPCを設定してしまうと、広告費がかさむので要注意。広告費を回収できる商品に絞るのがポイント。
キーワードCPC:商品・キーワード設定にて設定可能(料金40円~)

商品・キーワード設定画面の一覧表のキーワード列のアイコンを押すと、商品ごとに「特定のキーワードで検索された場合のCPC」を設定できます。
売れる検索キーワードが分かっている場合に使用します。CPCの最低価格が40円~と高いため、利益率の高い商品のみ設定しましょう。
✔ キーワードCPCは無理に使用しない
まずは除外商品登録・商品登録を行い、商品CPC設定のみ・低予算でROASを合わせましょう。
✔ キーワードごとにCPCを調整する
「楽天市場でよく検索されるキーワード」を狙い、競争率を見ながら適切なCPCを設定。
👉 例:「サングラス」→競争が激しく高CPC、「サングラス 大きめ」→競争が少なく低CPCで済む可能性あり。
✔ CPC目安+1円を意識
目安CPC+1円(例:最低40円なら41円)と設定すると1位表示のチャンス。
✔ 低ROASのキーワードは除外
キーワードごとの広告費用対効果(ROAS)を確認し、成約につながらないキーワードは除外する。
3つのCPC設定のコツ
CPC種類 | 設定のコツ |
---|---|
キャンペーンCPC | 広告露出する商品全てが利益率が高く露出を増やしたい場合に単価を引き上げる |
商品CPC | 利益額の高い商品のみ登録してそれ以外は除外商品に登録しましょう |
キーワードCPC | キーワードごとのクリック単価は無理に使用せず、RPP広告運用に慣れてからチャレンジでもOK |
楽天RPP広告の効果を最大化するための戦略
効果的な商品選定(広告対象とすべき商品・除外すべき商品)
楽天市場店舗のオーナーなら「この商品が売りたい!」と心で思っている商品があるでしょう。しかし、実際には、売りたいものと売れるものは違うので、きちんと売れる商品をRPP広告に設定することが大切です。
目的を明確にする(利益最大化・季節商品・レビュー集め)
RPP広告は、利益最大化を目指す以外に、季節商品を売りたい、新規商品の口コミを集めたい といった目的にも使えます。
「売れ筋の定番商品をもっと売りたい!」という場合、利益率の高い商品を中心にRPP広告をかけ、CPC(クリック単価)を適切に設定します。
→ 利益率の高い商品を積極的に露出させ、売上を伸ばす戦略が効果的
季節商材は、売れる時期が限られているため、そのシーズンにしっかりと広告をかけることが大切です。売り残すと、次のシーズンまで在庫を抱えることになり、利益を圧迫してしまいます。
→ 楽天RPP広告でも、売りたいシーズンに合わせて予算を増やし、広告を強化するのがポイント
新商品は、認知度が低く、レビューが少ないため、購買率が低くなります。楽天RPP広告を活用し、新商品を目立たせることで、興味を持ったユーザーの目に届きやすくなります。
→ 楽天RPP広告で露出を増やし購入者を増やすことで、口コミが増える
楽天RPP広告の具体的な運用手順
楽天RPP広告を効果的に運用するためには、適切な手順で設定を進めることが重要です。
最初に 「キャンペーン予算の設定」 を行い、その後 「除外商品の登録」 と 「広告に出す商品の選定」 を進めます。
ステップ1:キャンペーン予算の設定
✅ 少額からスタート
- まずは 月2万円程度の少額から始める
- 効果が良ければ徐々に予算を引き上げる
✅ 売上の一定割合を広告費として設定
- 目安:当月売上の5%~10%を広告予算にする
- 例:月商100万円の店舗 → 月5万円~10万円の広告予算
- 月ごとに売上が変化するので前年度を参考に設定する
✅ 目標ROASを決める
- 目標ROAS(広告費用対効果)を決めておく
- 目標ROAS = 500~1000%以上(広告費の5~10倍以上の売上を狙う)
ステップ2:除外商品の登録
なぜ除外商品を設定するのか?
RPP広告は、デフォルトで在庫のある全ての商品が広告対象になる 仕様です。そのため、利益率が低い商品や、広告に適さない商品を 「除外商品」 として登録する必要があります。
登録商品が多い・商品単価が低い・利益率が低い商品が多い、などの場合は、一度、全商品をCSVで除外登録するのがおすすめです。
✔ 除外すべき商品の基準
✅ 利益率が低い商品(広告費がかさむと赤字になりやすいため)
✅ 単価が低い商品(5,000円以下は除外が望ましい)
✅ 転換率(CVR)が低い商品(クリックはされるが購入されないもの)
ステップ3:RPP広告に出す商品の登録
除外商品を設定したら、次に広告を出したい商品の選定を行います。
具体的には、RMS管理画面のアクセス・流入分析 > 商品ページ分析 で月次データを表示し、全商品CSVを1~2年分ダウンロードしてスプレッドで年間の商品ごとの転換率を出す方法がおすすめです。
ステップ4:商品CPCの最適化
広告の効果を最大化するために、商品ごとにCPCを最適化していきます。
✔ 商品CPC設定のポイント
✅ まずは最低CPC(10円)でテスト → 成果が出るなら徐々に引き上げる
✅ 高ROASの商品はCPCを上げる → 露出を増やして売上を最大化
✅ 低ROASの商品はCPCを下げる or 除外する → 効果がないなら広告を止める
ステップ5:パフォーマンスレポートの活用
広告運用では、データ分析 が不可欠です。楽天RPPのパフォーマンスレポートを活用して、効果のある商品と無駄な広告費を使っている商品を見極めましょう。
✔ パフォーマンスレポートの確認方法
- 低ROAS商品を見直し、CPCを調整する
- 「パフォーマンスレポート」メニューを開く
- 「全商品レポート」と「全キーワードレポート」をダウンロード
- スプレッドシートにデータをまとめる
- 各商品のROAS(合計720時間)とCPC実績(合計)を見て調整します
楽天RPP広告のよくある失敗とその改善策
🔹 失敗例1:ROASが低い商品に広告を出し続けてしまう
- 改善策: 毎月ROASをチェックし、利益率が合わない商品は除外商品に登録する
🔹 失敗例2:予算の頭打ちでROASが下がる
- 改善策: 低ROASの商品を停止し、予算をROASが高い商品に集中させる
🔹 失敗例3:キーワードCPCに無駄なコストをかけすぎる
- 改善策: 商品CPCで安定したROASを確保してから、少しずつキーワードCPCをテストする