楽天RPP広告を効果的に運用するためには、パフォーマンスレポートを活用し、ROAS(広告費回収率)の分析・調整を行うことが重要 です。本記事では、全商品レポート・全キーワードレポートの見方、データ分析の方法、ROAS改善の具体的な手順 について詳しく解説します。
楽天RPP広告のパフォーマンスレポートとは?

楽天RPP広告のパフォーマンスレポートは、広告の費用対効果(ROAS)を分析し、改善策を見つけるための重要なデータ です。RPP配信結果を画面で確認でき主に以下の2種類のレポートがダウンロードできます。
✅ キャンペーンレポート

集計単位にキャンペーンを選択すると、キャンペーンレポートが表示されます。3ヶ月まで選択できます。
- 顧客種類:合計
- 実績項目:実績額、CPC
- コンバージョン種類:720時間
- 効果項目:売上金額、ROAS、CVR
✅ 商品別レポート

- 商品ごとのCPC(クリック単価)・広告費・売上・ROAS などを確認できる
- どの商品が広告費を有効に活用できているか、どの商品が無駄になっているかを分析できる
✅ キーワード別レポート

- 各キーワードごとのCPC(クリック単価)・コンバージョン率(CVR)・ROAS などを確認できる
- どのキーワードが効果的に売上に貢献しているかを把握し、広告費の配分を最適化できる
パフォーマンスレポートのダウンロード
ROASを定期的に分析・改善するためには、月ごとのデータを継続的に管理し、過去の推移と比較することが重要 です。
ダウンロードすべきレポートは、全商品レポートと全キーワードレポートの2種類です。画面上では、10商品・10キーワードまでしか表示しないので、必ずダウンロードしましょう。
✅ 商品別パフォーマンスレポートのダウンロード方法

- 楽天RMSの「検索連動型広告(RPP)」管理画面を開く
- 「パフォーマンスレポート」タブを開く
- 出力項目を上画像のとおりに選択をします
- 「全商品レポートダウンロード」ボタンをクリック
- 集計期間の月を変更して過去13ヶ月分あるいは25ヶ月分をダウンロードします
- 集計単位:商品別
- 集計期間:月ごとに表示 集計したい月を1ヶ月のみ選択
- 表示/出力項目:全てを選択
✅ キーワード別パフォーマンスレポートのダウンロード方法

- 「パフォーマンスレポート」タブを開く
- 出力項目を上画像のとおりに選択をします
- 「全キーワードレポートダウンロード」ボタンをクリック
- 集計期間の月を変更して過去13ヶ月分あるいは25ヶ月分をダウンロードします
- 集計単位:キーワード別
- 集計期間:月ごとに表示 集計したい月を1ヶ月のみ選択
- 表示/出力項目:全てを選択
ファイルダウンロード

ダウンロード履歴メニューを開いて、全商品・全キーワードレポートの2種類のファイルをダウンロードします。zipファイルになっているので、zipファイルを右クリックしてすべて展開をします。
フォルダの中身にCSVファイルがありますので、エクセルやスプレッドシートでデータを確認できます。
長期データを活用したRPP広告のパフォーマンス改善方法
RPP広告のパフォーマンス改善のためには、1ヶ月のデータだけではなく13ヶ月~25ヶ月分のデータが必要です。なぜならば、RPP広告予算によっては、ROASが短期間で大きく変動するため、長期的な傾向を把握しなければ正確な判断ができないからです。
例えば、季節性のある商品(夏向けの冷感マットや冬向けの電気毛布)では、特定の時期に広告の効果が急上昇・急下降することがあり、1ヶ月のデータだけを見て調整すると、適切なCPCや広告予算の調整ができなくなる可能性があります。昨年の同じ月と比較することも必要になります。
また、楽天市場のセール(スーパーセール、買い回りキャンペーンなど) の影響によっても、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)、ROASが大きく変動します。そのため、過去のセール時のデータと比較しながら、次のセール時の広告運用を最適化することが重要です。
前年データとの比較のためには、スプレッドシートでのデータ管理が有効です。
✅ データをスプレッドシートに蓄積する

新規にスプレッドシートを開き、インポートメニューを開きます。

スプレッドのアップロードタブを選択し、ダウンロードした全キーワードレポートのうち1ファイルをドラッグしてアップロードします。

現在のシートに追加する を選択し、テキストを数値、日付、数式に変換する にチェックを入れたまま「データをインポート」ボタンを押します。
もし、楽天の商品管理番号が0から始まる商品がある場合は、テキストを数値、日付、数式に変換するのチェックを外して、スプレッド側で数値にするなどの対応をしてください。

スプレッドシートにCSVをインポートすると、6行目まで不要なデータが含まれますので行削除します。

月ごとの全キーワードレポートを次々とインポートしていきます。
インポート2回目以降は、同じシートに行追加されていきます。
コントロールカラム、日付、商品ページURLと書かれてある項目行も不要なので、7行分を行削除します。

全キーワードレポートをインポートし終わったら、新しいシートを追加して、全商品レポートを同じ方法でインポートします。
これで完了です。
毎月月初に、先月のレポート2ファイルをインポートするようにしましょう。
スプレッドでRPP広告パフォーマンスレポートを蓄積するメリット


- 年月ごとにシートを作成し、過去データと比較できるようにする
- 長期データによる数値の信頼性向上
- ROASの推移を可視化し、どの施策が効果的だったかを検証できる
- データの可視化(グラフ化)を行うことで、推移を分析しやすくなる
商品ごとのROAS改善手順
全商品レポートを活用し、ROASが目標値を下回っている商品と、目標値を上回っている商品をリスト化し、それぞれ適切な改善策を実施 します。
✅ ROASが目標値以下の商品リストの作成
- スプレッドシートでROASのフィルターをかけ、目標未達の商品をリストアップ
- ROASの低い順に並べ、改善すべき商品を特定
✅ ROASが低い商品の改善方法
- CPC(クリック単価)を下げる
- クリック単価が高すぎる場合、CPCを引き下げて費用対効果を改善
- 商品アイキャッチの改善
- 画像のクオリティを向上し、CTR(クリック率)を高める
- ✅ 文字が大きく、視認性が高いか
- ✅ 白とび・暗すぎる写真になっていないか
- ✅ 商品が適切な大きさで表示され、余白が多すぎないか
- ✅ 競合と差別化されたデザインになっているか
- ✅ 使用シーンが伝わるか
- ✅ 高解像度の画像を使用し、画質がクリアか
- 商品名の改善
- 楽天RPP広告では、楽天が商品情報をもとにキーワードを自動設定するため、キーワードを意識した商品名に変更する ことで、適切なターゲットへ広告を配信できます
- 商品名に不要なキーワードが含まれていると間違った配信の元なので削除する
- ❌ NG例:「Bluetoothイヤホン 高音質 人気 おすすめ 売れ筋 安い ランキング ノイズキャンセリング イヤフォン」
- ✅ OK例:「ワイヤレスイヤホン Sony Bluetooth 5.3 高音質 ノイズキャンセリング マイク付き 低遅延 Zoom テレワーク用 ブラック」
- 不要なキーワード:
- 「人気」「おすすめ」「売れ筋」「安い」「ランキング」
✅ ROASが目標値以上の商品リストの作成
- 高ROASの商品はさらに強化
- CPCを引き上げて、さらに露出を増やす
- 売上に貢献している商品には、広告予算を積極的に投下する
キーワードごとのROAS改善手順
全キーワードレポートを活用し、効果の低いキーワードと高いキーワードをそれぞれ分析し、適切な改善を実施 します。
✅ ROASが低いキーワードの分析と対策
- クリック数が多いのに成約率が低いキーワードを特定
- CPCを引き下げ、無駄な広告費を削減
- よりコンバージョン率の高いキーワードへ広告費をシフト
✅ ROASが高いキーワードの強化方法
- CPCを上げ、さらに露出を増やす
- 類似キーワードを追加し、売上拡大を狙う
RPP広告の商品登録の確認と管理
楽天RPP広告では、商品・キーワード設定リストに登録していない商品でも広告が配信されるため、管理が必要 です。
✅ 商品・キーワード設定リストにない商品でも広告が表示される
- 「全商品レポート」の商品管理番号と「商品・キーワード設定リスト」を照らし合わせる
- リストに載っていない商品は新規登録 し、どの商品が広告に表示されているかを正確に管理
✅ 商品登録のメリット
- 意図しない商品への広告配信を防ぎ、無駄な広告費を削減
- 売上につながる商品の広告配信を優先的に管理
広告予算の頭打ちと調整
✅ 広告予算の頭打ち時の優先順位
- ROASが高く、広告費が上限に達している場合は、ROAS調整よりも予算を引き上げる
- 広告予算が確保できない場合は、ROAS改善を優先し、費用対効果を最大化する
- ROASが目標を下回っている場合は、CPC調整や商品情報の改善を行う
まとめ|楽天RPP広告のROAS改善のためのポイント
いかがでしたでしょうか?パフォーマンスレポートをスプレッドに長期データを保存してRPP広告の改善を行う方法をご紹介しました。
スプレッドシートでRPP広告のパフォーマンスレポートを蓄積する最大のメリットは、長期データをもとに分析できるため、一時的な数値の変動に左右されず、より信頼性の高いデータに基づいた意思決定ができることです。
楽天RPP広告で効果的にROASを改善するためには、定期的なデータ分析と適切な調整が必要 です。
✅ 毎月パフォーマンスレポートをダウンロードし、スプレッドシートで管理する
✅ ROASが目標値以下の商品・キーワードを特定し、CPC調整や商品情報の改善を行う
✅ ROASが高い商品・キーワードには予算を集中させ、広告効果を最大化する
✅ 商品・キーワード設定リストと全商品レポートを照合し、広告管理を最適化する
✅ 広告予算が頭打ちしている場合は、ROAS調整よりも予算増額を優先し、売上の最大化を図る
結論:データをもとに柔軟に運用し、売上を最大化する
楽天RPP広告のROAS改善は、CPC調整だけでなく、商品情報の最適化や広告管理の徹底が重要 です。
広告の効果が高い場合は、ROAS調整よりも予算を増やすことで成長を加速させる ことを意識し、定期的なデータ分析を行いながら、戦略的に広告運用を進めましょう!