アクティブユーザーの定義と分析でサービス成長を実現する方法

Web集客やサイト運営をしている方にとって、「ユーザーがどれだけ訪問しているか」だけでなく、「実際にどれほど継続して利用されているか」は非常に気になるポイントです。アクセス数が多くても、実際には多くのユーザーが一度きりの訪問で終わってしまうこともあります。そのため、アクティブユーザーの動きを正しく把握し、具体的な施策に活かすことが大切です。

本記事では、アクティブユーザーの基本的な定義から、計測や分析方法、ビジネスへの活用まで、初心者にも分かりやすく解説します。実例や具体的な施策も交えながら、サービス成長に役立つ考え方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

アクティブユーザーの定義と基本知識

アクティブ ユーザー 定義

アクティブユーザーとは何かを正しく理解することが、サービスの成長やWeb集客を考えるうえでの出発点です。ここでは基本的な知識や関連する指標との違いについて整理します。

アクティブユーザーとは何か

アクティブユーザーとは、ある一定期間内にサービスやWebサイトを「実際に利用したユーザー」を指します。単にサイトを訪れただけでなく、ログインや検索、商品の閲覧など、何らかの行動を起こした人たちです。

たとえばショッピングサイトの場合、商品を見たりカートに入れたりするユーザーがアクティブユーザーとなります。単にアクセス数を数えるのではなく、「サービスに関わった」実感のある利用者を把握することがポイントです。

ユニークユーザーとの違い

ユニークユーザーは、一定期間にWebサイトを訪れた「重複のない個別の利用者数」を表します。一方、アクティブユーザーは、訪問しただけでなく、実際にサービスを利用した人に限定されます。

たとえば、1か月の間に同じ人が10回訪問しても、ユニークユーザーは「1人」として数えます。しかし、アクティブユーザーは「実際の利用状況」にフォーカスするため、ログインや購入など利用アクションが伴っていることが前提です。

指標カウント方法目的
ユニークユーザー重複なしの訪問者数潜在的な利用者規模の把握
アクティブユーザー実際の利用アクション実態の利用把握

アクティブユーザーの計測期間

アクティブユーザーは、計測する期間によって「日次」「週次」「月次」など複数の指標に分かれます。よく使われるのは、DAU(デイリーアクティブユーザー)、WAU(ウィークリーアクティブユーザー)、MAU(月間アクティブユーザー)の3つです。

サービスの性質によって、どの期間でアクティブユーザーを重視するかが変わります。たとえばニュースサイトやSNSは毎日の利用が重要なのでDAUを重視し、ECサイトでは月ごとの利用傾向をみるためにMAUが参考にされることが多いです。期間ごとの違いを意識して、自分のサービスに合った指標で計測しましょう。

総ユーザー数や新規ユーザー数との違い

総ユーザー数は、これまでにサービスへ登録・利用した累計の人数です。これに対し、新規ユーザー数は、指定した期間内に初めてサービスを利用したユーザーを指します。

アクティブユーザーは「実際に利用したユーザー」ですが、総ユーザー数は「登録だけして利用していないユーザー」も含まれます。また新規ユーザー数は「利用を始めたばかり」の人たちなので、リピーターや定着率を示すものではありません。これらの違いを把握することで、自社サービスの成長や課題をより具体的に分析できます。

アクティブユーザーが重要とされる理由

アクティブ ユーザー 定義

アクティブユーザー数は、単なる訪問者数よりもサービスの実態を把握しやすい指標です。なぜ多くの企業が重視するのか、その理由を解説します。

サービスの利用実態を把握できる

アクセス数や登録者数だけを見ていると、サービスがどの程度使われているのか本当の姿が見えにくい場合があります。アクティブユーザー数を確認することで、実際に「どれくらいの人が日常的にサービスを活用しているか」を知ることができます。

たとえば、登録者は多いのにアクティブユーザーが少ない場合は、利用促進の工夫が必要だと判断できます。逆にアクティブユーザーが多ければ、サービスの価値がしっかり伝わっていると考えられます。

リピーターや定着率の分析に役立つ

アクティブユーザー数の推移を見ることで、リピーター(繰り返し利用するユーザー)や新規ユーザーの定着状況を分析できます。定着率が高いサービスは、安定した成長が期待できます。

たとえば、週ごとや月ごとに利用状況を追うことで、どの施策がリピーター増加につながったかも見えてきます。これにより、「どのくらいのユーザーが一度きりではなく、継続して利用しているか」を把握しやすくなります。

施策の成果やLTV向上への影響

アクティブユーザー数の変化を観察することで、新しいキャンペーンや機能追加などの施策が、実際にユーザー行動へどのような影響を与えたかを評価できます。

また、アクティブユーザーが多いほどLTV(顧客生涯価値)も高まりやすくなります。一度利用して終わりではなく、繰り返し利用してもらう仕組みを作ることが、長期的な収益確保につながります。

ユーザー行動データから課題発見ができる

アクティブユーザーの行動分析を行うことで、ユーザーがどこで離脱しているのか、どのページに興味を持っているのかを把握できます。

特定のアクションが少ない場合や、利用頻度が低下したタイミングが分かれば、改善策を立てるヒントになります。たとえば、特定ページの閲覧数が減った場合は、コンテンツや導線の見直しを検討するきっかけになります。

アクティブユーザーの指標と分析方法

アクティブ ユーザー 定義

アクティブユーザー分析を進めるには、さまざまな指標やツールの使い方を知ることが大切です。ここでは、代表的な指標や具体的な分析方法を紹介します。

MAUやDAUの意味と使い分け

MAU(Monthly Active Users)は「月間アクティブユーザー」、DAU(Daily Active Users)は「日間アクティブユーザー」です。どちらも「実際に利用したユーザー数」を示す指標ですが、計測する期間が異なります。

サービスのタイプによって、どちらを重点的に見るかが異なります。たとえば、ゲームやSNSのように毎日使われるサービスではDAUが重要視され、ECサイトや情報提供サイトのように月単位での利用頻度が高いサービスではMAUが重視されます。自社のサービス特性に合わせて、適切な指標を選びましょう。

DAUとMAUの比率で見る定着度

DAUとMAUの比率は、ユーザーがどれくらいサービスに「定着」しているかを示す参考指標です。この比率が高いほど、月間ユーザーの中に毎日利用する人が多いことを意味します。

たとえば、月間1,000人のアクティブユーザーのうち、毎日100人が利用していれば、DAU/MAU比率は10%となります。比率が高い場合は「ヘビーユーザーが多い」と判断でき、逆に比率が低い場合は「一度きりの利用や間隔をあけて利用する人が多い」と考えられます。

指標具体例定着度の目安
DAU/MAU比率10%標準的な定着度
20%以上非常に高い定着度
5%以下さらなる改善の余地あり

Googleアナリティクスでのアクティブユーザー確認

Googleアナリティクスを使えば、アクティブユーザー数を簡単に確認できます。管理画面の「ユーザー」セクションから、「アクティブユーザー」の項目を選択することで、日別・週別・月別のデータが確認できます。

また、「ユーザーエクスプローラー」などの機能を使うことで、個別ユーザーの行動履歴も追跡できます。これにより、「どのページがよく見られているか」「どのタイミングで離脱が起きているか」を把握することができ、改善施策の立案につなげることが可能です。

コホート分析によるユーザー行動の追跡

コホート分析とは、「同じタイミングでサービスを利用し始めたグループ(コホート)」を追い、時間の経過とともにどれだけ定着しているかを調べる方法です。たとえば「4月に登録したユーザーが、5月や6月にどれくらい利用しているか」といった形で分析します。

この分析を行うことで、「新規ユーザーはどのくらいサービスに定着しているか」や「特定の時期に実施したキャンペーンの効果はどうか」といった疑問に答えやすくなります。Googleアナリティクスや他の分析ツールでもコホート分析機能が用意されているので、活用を検討しましょう。

アクティブユーザーを増やすための具体的施策

アクティブ ユーザー 定義

アクティブユーザーを増やすには、単にアクセス数を増やすだけでは不十分です。ここでは、利用を促進するための具体的な取り組みを紹介します。

コンテンツやSEO対策の強化

質の高いコンテンツを定期的に更新し、SEO(検索エンジン最適化)を行うことで、多くの新規ユーザー獲得とリピーターの維持が期待できます。重要なのは、ユーザーが「役立つ」と感じる情報や体験を提供することです。

また、検索キーワードを意識した記事作成や、内部リンクの最適化も有効です。わかりやすいナビゲーションや、ユーザーの知りたい情報がすぐに見つかる構成を心がけましょう。

SNSやWeb広告の活用

SNSアカウントを活用して情報発信を行うことで、既存ユーザーに再訪を促したり、新しいユーザー層にリーチすることができます。キャンペーンや限定情報の発信も有効です。

また、Web広告(リスティング広告やディスプレイ広告など)を使ってターゲットとなるユーザーにアプローチする方法もあります。広告の成果を定期的に分析し、改善を続けることが重要です。

施策例目的注意点
SNS運用再訪促進・拡散投稿頻度を保つ
Web広告運用新規層への拡大ターゲットの精度

カスタマーサポートやサクセスの最適化

ユーザーからの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応することは、アクティブユーザー維持に欠かせません。チャットサポートの導入やFAQの充実など、サポート体制を整えることで利用満足度が高まります。

また、カスタマーサクセスの強化も重要です。たとえば、使い方ガイドの送付や、定期的なフォローアップメールを行うことで、ユーザーの利用促進や定着率向上につながります。

イベントやキャンペーンの実施

期間限定イベントやキャンペーンの開催は、ユーザーの利用意欲を高める効果があります。たとえば、限定コンテンツの公開や、購入特典の付与などが挙げられます。

イベント終了後もユーザーが継続的に利用する工夫が必要ですが、一時的なアクティブユーザー数の増加や、サービスへの関心を高めるきっかけとして活用できます。

アクティブユーザー分析がもたらすビジネスへの効果

アクティブユーザーの分析は、単に数字を確認するだけでなく、ビジネス全体の改善や成長戦略にも深く関わります。具体的な効果や分析手法について見ていきましょう。

実際の導入事例から学ぶ成功ポイント

たとえばECサイトでは、アクティブユーザーの分析を通じて「再訪率の高い曜日や時間帯」を特定し、メールマガジンやクーポン配信のタイミングを最適化した結果、定着率が向上した事例があります。

また、アプリサービスではコホート分析を用いて「登録後3日以内に利用が途切れるユーザーが多い」ことを発見し、オンボーディングプロセスの強化によって離脱を大幅に減らした成功例もあります。

他指標と組み合わせた総合的な分析

アクティブユーザーだけでなく、PV(ページビュー)やCVR(コンバージョン率)、LTVなどの指標と組み合わせることで、サービス全体の健康状態をより正確に把握できます。

たとえば、アクティブユーザー数が増えているのに売上が伸びない場合は、利用動線や商品ページの改善が必要かもしれません。複数の指標を総合的に分析することで、より具体的な改善ポイントが見えてきます。

改善施策の仮説立案と検証方法

アクティブユーザーの分析結果をもとに、「どのような施策が有効か」を仮説立てし、小規模なテストを繰り返すことが大切です。たとえば、トップページのデザインを変更した場合、アクティブユーザー数や滞在時間にどのような変化が出るかを検証します。

このような検証を重ねることで、根拠をもった改善施策の立案ができるようになります。小さな成功体験を積み重ねることが、サービス全体の成長につながります。

長期的な成長戦略とアクティブユーザーの関係

長期的なサービス成長を目指す際、アクティブユーザーの維持・増加は非常に重要です。安定した利用者層があれば、サービスや商品の拡張、新規事業展開も進めやすくなります。

また、ユーザーの行動データを基にした新サービスの検討や、既存ユーザーへのクロスセル(関連商品・サービスの提案)も効果的です。アクティブユーザーの増減を丁寧に追いながら、将来にわたる持続的な成長戦略を描きましょう。

まとめ:アクティブユーザーの定義と分析でサービス成長を加速させよう

アクティブユーザーは、単なるアクセス数では分からない「サービスの本当の利用状況」を知るための大切な指標です。日々の利用実態や定着率、施策の成果を可視化することで、効率的な改善や成長施策が可能となります。

自社サービスに合った指標や分析方法を選び、ユーザーの動きや行動データを丁寧に追い続けることが、成功への近道です。アクティブユーザーの定義と分析をしっかり押さえ、サービス運営や集客の成果をさらに高めていきましょう。

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この記事を書いた人

岩永 圭一のアバター 岩永 圭一 アルル制作所 代表取締役

2003年にECサイト「ウェディングアイテム」を立ち上げ、手作り結婚式を応援。年商3億円達成。2005年デザイン会社を設立。2社を譲渡後、2021年にアルル制作所を立ち上げ、オウンドメディア運営代行『記事スナイパー』を開始。これまで立ち上げた事業は、他にも中古ドメイン販売・キーワードツール・バー専門ホームページ制作・記事LP制作・レンタルスペース・撮影スタジオと多岐にわたる。

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