アドセンス狩りが来たらまず何をするべきか?被害判定から報告・復旧までの手順

アドセンス収益が急に落ちたり、警告が来たりすると不安になりますよね。まずは落ち着いて状況を把握することが大切です。この記事では、疑わしいクリックや不正アクセスを見つけたときの優先対応、監視方法、証拠の残し方、Googleへの報告手順、復旧までの流れを順を追って説明します。今すぐできる対策から中長期の防御まで、実務的で分かりやすくまとめました。

目次

アドセンスに対する狩りが来たらすぐにやるべきこと

疑わしい動きに気づいたら、まず影響範囲を確認して被害拡大を防ぎます。慌てず手順を踏めば、アカウント凍結や大きな収益減を避けられる可能性が高くなります。ここでは初動で優先すべき対応を紹介します。

まず被害かどうかを見極めるポイント

まずはクリック率(CTR)やクリック数、ページビューの変化を確認してください。短時間でCTRだけが異常に上がっている場合は不正クリックの可能性もあります。アクセス元の国やIP、参照元(リファラ)に急な偏りがないかも見てください。

次に、同期間のトラフィックが自然増かキャンペーンやSNS拡散によるものか判断します。外部での拡散が確認できなければ、不正の疑いを強めます。被害の範囲を知るために、影響を受けたページや広告枠、時間帯を特定しておきましょう。

最後にログの保存を始めます。レポート画面のスクリーンショットやCSV出力、サーバーログのバックアップを取っておくと後で役立ちます。状況を把握したら次の対策へ移ります。

CTRやクリック数の急増ラインの目安

CTRやクリック数の「急増ライン」はサイトの通常値によって変わります。まずは過去30〜90日の平均CTRと1日のクリック数の標準偏差を出して、通常範囲を把握してください。平均から2倍以上、または短時間で数倍の変動がある場合は注意が必要です。

特に短時間(1〜3時間)でCTRが通常比で3倍以上、クリック数が急増しているときは不正を疑いましょう。加えて、ページビューが増えていないのにクリック数だけ増えているケースは自動ツールやボットによるクリックの可能性が高くなります。

基準はあくまで目安です。普段のアクセスパターンや季節要因、キャンペーンの有無を合わせて判断してください。異常が疑われたらログを保存して次の手順に進みます。

証拠として残すべきログの取り方

証拠として重要なのは「時間」「IP」「ユーザーエージェント」「参照元」「対象ページ」「クリック数の推移」です。これらを漏れなく保存するために、まずAdSenseの該当レポートをCSVでダウンロードしてください。スクリーンショットも補助として残します。

サーバー側ではアクセスログ(Apache/Nginx)を該当期間分抽出し、iptablesやWAFのログ、アクセス解析の生ログ(Googleアナリティクスの生データ)も保存してください。可能ならIPごと、時間帯ごとのまとめ表を作ると見やすくなります。

ログは改ざんリスクを避けるため、元ファイルをZIPで圧縮して日付入りのファイル名で保管すると安全です。クラウドストレージに二重保存しておくと安心です。

広告配信を一時停止する方法

広告停止は最終手段ではありますが、被害が大きい場合は有効です。まずはWordPressなどCMS上で広告コードを一時的に外すか、広告プラグインから無効化してください。設定変更が難しい場合はテーマのヘッダーファイルやウィジェットから広告スニペットを外す方法もあります。

もう一つの方法はAdSense側で広告ユニットを停止することです。管理画面から個別広告ユニットを非表示にできます。ただし逆にアカウント全体の停止につながる可能性もあるため、停止は最小限に留めてください。

停止後はユーザーに影響が出るため、復旧スケジュールを決めておくと安心です。停止の必要性と期間をメモしておくと、後でGoogleへ説明する際に役立ちます。

Googleへ報告するための基本準備

報告前に必要な情報を整理します。日時、影響のあったページURL一覧、クリック数の増減、保存したログ(IP、ユーザーエージェント、参照元)をまとめておきます。また、実施した対策(広告停止、IP遮断など)とその開始時刻も記載してください。

AdSenseのサポートフォームやヘルプセンターから報告できます。報告時は事実を時系列で簡潔に記載することが重要です。ログファイルは添付できない場合もあるため、ダウンロード先の共有リンクや必要箇所の抜粋を用意しておきましょう。

報告後はGoogleの応答を待ちながら、対応履歴を記録して次の監視へ移ります。

アドセンス狩りはどのように行われるか

攻撃の手口を知ることで早期発見と防御が可能になります。ここでは主に使われる手法とそれぞれの特徴を分かりやすく解説します。

よく使われる不正クリックの手口

不正クリックには複数の方法があります。手動で複数アカウントを使ってクリックするケース、外部に依頼して短期間に集中クリックを行うケース、そしてツールやボットによる大量自動クリックがあります。手動はクリックにばらつきがあり、ボットは非常に短時間で大量のアクションを起こします。

また、同一IPや同一ネットワークからのクリック、特定の地域や時間帯に偏ったクリックも見られます。サイト内の特定ページだけが狙われることもあるため、ページ単位での変化にも注意が必要です。

攻撃者は検出を避けるためにランダムな間隔でクリックしたり、ユーザーエージェントを偽装したりすることがあります。そのためログの細かい記録が重要になります。

ボットやツールでの自動クリックの特徴

ボットによるクリックは高速かつパターンが一定しているのが特徴です。短時間で同一パターンのリクエストが大量に来るため、アクセスログで連続した短時間のヒットや同一ユーザーエージェント、同一リファラが多数見つかることが多いです。

また、ボットはJavaScriptを正しく処理しない場合があり、ページ遷移の挙動や非同期リクエストが不自然になることがあります。Humanらしい遅延やマウス挙動が見られないクリックもヒントになります。

ボットはIPをローテーションすることもあるため、IPだけでの遮断は限界があります。ユーザーエージェントや行動パターンで検出ルールを作ることが有効です。

地域や時間帯に偏る攻撃の兆候

攻撃が特定地域や時間帯に偏る場合は注意が必要です。例えば深夜帯だけにクリックが集中する、ある国からのアクセスだけが急増する、といった偏りは不正の可能性が高まります。地域偏りはVPNやプロキシを使った攻撃のサインでもあります。

時間帯の偏りは自動スクリプトによる定期実行やバッチ処理が原因であることが多く、短時間の山が複数回繰り返されるときは疑ってください。こうしたパターンはログで分かりやすく、遮断や制限の優先対象にできます。

SNSでの呼びかけによる集中クリック

SNSで悪意ある呼びかけが行われると短時間で急激なクリック集中が発生します。リファラにSNSからの流入が多数ある場合や、特定の投稿が拡散されているケースはその可能性があります。

この場合はSNSでの事実確認と、拡散元のスクリーンショットを保存しておくことが重要です。拡散を止めることは難しいですが、被害証拠としてGoogleに提示するときに役立ちます。

内部や知人による故意クリックの見分け

社内や知人による意図的なクリックは、特定のアカウントやIP、時間帯が繰り返し出てくることで見分けられます。行動が不自然に偏る、あるいは特定の人物の利用環境からのアクセスが多い場合は内部関与を疑ってください。

内部犯行は説明のつく理由(好奇心や報酬目当て)があることも多く、当事者へ事情確認を行う必要があります。アクセス記録や社内ルールを見直し、必要なら社員教育やアクセス制限を行ってください。

被害を早く見つけるための監視と記録

日常的な監視体制があれば被害の早期発見が可能です。ここでは日次チェック項目とツール連携の方法をまとめます。

日次で確認すべき指標一覧

毎日確認する指標は次の通りです:

  • クリック数とCTRの前日比
  • ページビューとセッション数の前日比
  • 参照元の上位変化
  • トップアクセス国の変化
  • 異常な時間帯の急増

これらをダッシュボード化しておけば異常の検出が早まります。

さらに、特定のページや広告ユニットごとのクリック率も日次で確認してください。短期間で急増があればすぐにログ保存と一時対応を行います。

Googleアナリティクスとの連携手順

GoogleアナリティクスとAdSenseを連携させることで、広告ごとのトラフィックが分かりやすくなります。連携はアナリティクスの管理画面でプロパティ設定からAdSense連携を有効にするだけです。リンク後は広告パフォーマンスをページビューやコンバージョンと照合できます。

連携により参照元ごとのクリック傾向やリアルタイムの挙動が追いやすくなるので、異常の早期発見に有効です。

AdSenseレポートとの突合せ方法

AdSenseレポートとアクセス解析のデータを日付・ページ単位で突合せます。クリック数やCTRに差異がある部分を中心に、リファラやIP情報と照らし合わせて不自然な点を洗い出します。

突合せにはCSV出力を活用し、スプレッドシートで比較表を作ると見やすくなります。不一致が見つかったらその範囲のサーバーログを掘り下げて原因を調べます。

リアルタイムレポートのチェックポイント

リアルタイムデータでは短時間の異常を検出できます。急にアクティブユーザー数が増えたときは参照元とアクセス国、ページURLを確認してください。クリックが増えているのにアクティブユーザーが少ないときはボットの可能性を疑います。

また短時間で特定IPやユーザーエージェントが繰り返されていないかをリアルタイムで確認すると即時対応がしやすくなります。

怪しいIPや国の抽出方法

サーバーログや解析データから上位IPと国を抽出し、通常とは違う急増がないかを確認します。IPの重複頻度や短時間での多数リクエストがあるIPは優先的に調査します。

GeoIPデータを使い、普段来ない国や地域からの大量アクセスがある場合はフィルタリングや制限をかけることを検討してください。

ログを安全に保管するやり方

ログは改ざん防止と保存性が重要です。まず該当期間のログファイルを圧縮してタイムスタンプ付きで保存します。ローカル保存に加え、クラウドストレージへバックアップを取ると安心です。

さらにログのハッシュ(MD5やSHA-256)を算出して別ファイルに保存しておくと、後で改ざんがないことを示せます。アクセス権限を制限して第三者の操作を防ぐことも忘れないでください。

防御に使えるツールとサイト設定

適切なツールと設定により、不正クリックのリスクを下げられます。ここでは導入しやすいツールや設定例を紹介します。

Ad Invalid Click Protectorの導入と基本設定

Ad Invalid Click Protectorは不審な連続クリックを検出して制限するプラグインです。導入後は閾値(短時間に同一IPからのクリック回数)を設定し、しきい値超過でそのIPを一定時間ブロックします。

設定はサイトの通常トラフィックに合わせて調整してください。誤検知を避けるため、まずはログモードで挙動を観察するのがおすすめです。

WP QUADSなど広告プラグインの活用例

WP QUADSは広告の表示制御に便利なプラグインです。表示条件を細かく設定できるため、ログインユーザーや特定国を除外して広告を非表示にすることが可能です。

また広告の出し分けや頻度制御もできるため、クリック集中のリスクを下げる設定ができます。テストしながら最適な表示ルールを作ってください。

IPアドレスの自動遮断設定のやり方

サーバーやWAFで同一IPからの短時間大量リクエストを自動遮断するルールを作ります。fail2banなどのツールを使うと、ログパターンに基づき自動で一時ブロックが可能です。

遮断ルールは閾値を厳しくしすぎると一般ユーザーを巻き込むため、段階的に設定して監視してください。

WAFやセキュリティプラグインの有効な設定

WAF(Web Application Firewall)は異常なリクエストを遮断する効果があります。ルールセットでボットらしいアクセスやヘッダ偽装をブロックすることで、不正クリックの一部を防げます。

WordPressならWordfenceやSucuriなどのプラグインで基本ルールを有効にし、ログ通知を受け取る設定にしておくと対応が速くなります。

ログイン済み利用者に広告を非表示にする方法

ログインユーザーには広告を表示しない設定にすると、内部からの不用意なクリックを避けられます。CMSのテンプレートや広告プラグインで条件分岐を入れ、ログイン状態をチェックして広告タグを出さないようにします。

これで管理画面やスタッフが誤ってクリックするリスクを下げられます。

国別アクセス制限の検討ポイント

特定の国からのアクセスが不自然に増える場合は、その国を対象に広告表示を停止することを検討してください。GeoIPベースのブロックや広告プラグインでの国別非表示設定が使えます。

ただし正当なユーザーも含まれる可能性があるため、広告以外のコンテンツへの影響を確認してから実施してください。

広告の表示頻度と配置を見直す理由

クリック率が高くなり過ぎる配置や頻度は誤クリックを誘発することがあります。広告の数や位置を減らし、目立ちすぎない配置にすることで不正クリックの影響を和らげられます。

表示頻度を制限すると収益は短期的に下がる可能性がありますが、長期的にはアカウントリスク低減につながります。

被害発生時の手続きと復旧までの流れ

被害発生後は段階を踏んで対応と報告を行い、監視を続けながら復旧を目指します。ここでは具体的な手続きの流れを示します。

不正クリックの証拠を一覧にまとめる

まず時系列で発生状況をまとめた一覧を作ります。日付・時間・ページURL・クリック数増加幅・疑わしいIP・参照元・実施した対策を記載してください。スクリーンショットやCSVファイルの位置も明示しておくと後の報告が楽になります。

この一覧はGoogleやホスティング業者に説明する際の基礎資料になります。

IPやユーザーエージェントを保存する方法

該当期間のサーバーログを抽出し、IPとユーザーエージェントをフィルタしてCSVに保存します。用意したファイルは圧縮してハッシュ値を記録し、安全な場所に保存してください。

必要ならWHOISでIPの大まかな所属を調べ、国情報やISP情報も付記するとより信頼性が高まります。

AdSenseサポートへ伝えるべき情報

報告時には以下を用意してください:影響発生日と時間帯、影響を受けたページのURL一覧、保存したログの要約(IP、ユーザーエージェント、参照元)、行った対策、期待する対応(調査依頼や無効化の判断)。事実を簡潔に時系列でまとめて送ると対応が早くなります。

Googleに無効なトラフィックを報告する方法

AdSenseのヘルプから「無効なトラフィックの報告」フォームを使用します。ログの抜粋やスクリーンショットを添付できる場合は添付し、詳細な説明を付けて送信してください。送信後は対応状況をメモしておくとよいです。

Google側で無効と認定されれば、該当分の収益調整やアカウント保護が行われますが、処理には時間がかかることがあります。

ホスティング業者やセキュリティ会社への相談

サーバー側でのトラフィック制御やIPブロックが必要な場合はホスティング業者に相談してください。大規模攻撃ではWAFの強化やネットワークレベルでの遮断が有効です。

必要なら外部のセキュリティ会社にログ解析を依頼し、攻撃の出所や手口を特定してもらうことも検討してください。

対応後の監視で再発を防ぐポイント

対応後は短期的にリアルタイム監視を強化し、同様のパターンが再発していないかを確認します。しきい値を調整したり、遮断ルールを恒久的に組み込むと再発防止に効果的です。

また、定期的にログの保存とダッシュボードのチェックを習慣化しておくと、次回の被害発見が早くなります。

アカウント回復までの一般的な期間

Googleの調査と対応には数日から数週間かかることがあります。被害の規模や提出した証拠の量で期間は変わります。迅速に詳細なログを提出すると対応が早くなる傾向があります。

万が一アカウント停止になった場合でも、提出資料が整っていれば復旧の可能性は高まります。焦らず記録と対応を続けましょう。

今日から使えるアドセンス狩り対策チェックリスト

以下のチェックリストを日常的に運用してください。異常の早期発見と被害最小化に役立ちます。

  • 日次でCTR・クリック数・PVを確認する
  • 参照元と国別アクセスを毎日チェックする
  • 異常時はAdSense・GA・サーバーログをCSV・スクショで保存する
  • リアルタイムアラートを設定する(増減検知)
  • WAF・fail2banなどで自動遮断ルールを設定する
  • ログは圧縮してクラウドにバックアップしハッシュを保存する
  • ログインユーザーに広告を非表示にする設定を行う
  • 国別非表示や広告頻度の見直しを検討する
  • AdSenseの報告手順を事前に確認しておく
  • ホスティング業者やセキュリティ会社の連絡先を用意しておく

このリストを週次で見直し、実行できている項目から順に改善していくと安心です。

ポストしてくれるとうれしいです

この記事を書いた人

岩永奈々のアバター 岩永奈々 取締役・クリエイター

世界を旅するきゅうり大好きクリエイター🛫デザイン歴25年。
みんながハッピーになる企業のマーケティングを研究中。Canva+AI導入+SNS運用+商品企画+商品キット制作+映え壁作りならお任せください!映画・テレビドラマ美術協力&衣装協力35本突破! 工作、手芸、ピアノ、カラオケ大好きな元バンドマン。講師依頼もお待ちしています。

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