コーポレートカラーとは何か?企業ブランドに不可欠な色の選び方と活用事例を解説

企業やお店の印象を決める上で、「コーポレートカラー」は大きな役割を持っています。色選びに迷ったり、どのように自社のブランドイメージを表現すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、コーポレートカラーの基本や選び方、心理的効果、有名企業の事例、導入後の活用方法まで幅広く解説します。企業ブランドの価値を高めたい方に向けて、分かりやすくまとめました。

目次

コーポレートカラーとは企業ブランドを象徴する色の役割

コーポレート カラー と は

コーポレートカラーは、企業やブランドの個性や価値観を視覚的に伝える大切な役割を担っています。どの色を選ぶかで、企業の印象やメッセージが大きく変わってきます。

コーポレートカラーの定義とその重要性

コーポレートカラーとは、企業が自社を象徴するために設定した色を指します。この色は、ロゴマークや広告、ホームページ、商品パッケージなど、さまざまな場面で使用され、企業の統一感や信頼感を醸成します。

たとえば、企業の名刺や資料で同じ色が使われていると、見る人に「この会社はしっかりしている」「一貫性がある」と感じてもらいやすくなります。

また、コーポレートカラーは社員の意識向上にもつながります。社内で共有されることで、「自分たちはこのブランドの一員だ」という一体感が生まれやすくなります。このように、単なる色以上の意味を持っている点が、コーポレートカラーの重要なポイントです。

シンボルカラーやブランドカラーとの違い

コーポレートカラーとよく似た言葉に、「シンボルカラー」や「ブランドカラー」があります。これらは似ているようで役割や使い方がやや異なります。

シンボルカラーは、ある製品やサービスを象徴する色です。一方、ブランドカラーは、特定の商品ブランドに焦点をあてて設定される色を指します。

コーポレートカラーは、企業全体を象徴する色であり、より広い範囲で使用されるのが特徴です。下記の表でまとめます。

用語意味主な使われ方
コーポレートカラー企業全体を象徴する色ロゴ、名刺、広告など
シンボルカラー製品やサービスごとの象徴色商品パッケージなど
ブランドカラーブランド単位で設定される色ブランドロゴ、販促物

コーポレートカラーが企業イメージに与える影響

企業イメージは、コーポレートカラーによって大きく左右されます。たとえば、青は信頼や誠実、緑は安心や自然、赤は情熱や活力といった印象を与えることが多いです。

意図せずネガティブなイメージを持たれることもあるため、色の選定には慎重さが求められます。

また、コーポレートカラーは外部への印象だけでなく、社内のコミュニケーションにも影響します。社員が一丸となってブランド価値を高めるためにも、コーポレートカラーの選定は非常に重要です。

コーポレートカラーが必要とされる場面

コーポレートカラーは、さまざまなビジネスシーンで必要とされます。たとえば、下記のような場面が挙げられます。

  • 会社のロゴや名刺を作成する時
  • ウェブサイトやSNSアカウントのデザインを決める時
  • 販促物や広告、商品パッケージのデザインに統一感を持たせたい時

このように、コーポレートカラーは企業活動のあらゆる場面で活用されます。一貫した色使いによって、ブランドのメッセージがより強く伝わります。

コーポレートカラーの決め方と選定基準

コーポレート カラー と は

コーポレートカラーを決める際は、企業の個性や業界、競合他社との違いなど、さまざまな観点から慎重に検討することが大切です。ここでは、選定基準や具体的な考え方についてご紹介します。

企業コンセプトやビジョンを反映する色の選び方

コーポレートカラーの選定では、まず企業のコンセプトやビジョンを明確にすることが重要です。どんな価値観を持ち、どのような社会的使命を果たしたいのかを整理しましょう。

たとえば、「安心感」を大切にする企業なら緑や青が候補となりますし、「革新性」を強調したい場合はオレンジや紫など個性的な色が適しています。

社員やステークホルダー(関係者)と対話しながら、企業らしさを表現できる色を探していくことがポイントです。自社理念と色の意味とを照らし合わせて選ぶと、しっくりくるコーポレートカラーが見つかりやすくなります。

業種や業界から適した色を考える方法

業種や業界によっても、選ばれやすい色や避けたほうがよい色があります。たとえば、金融業界では信頼感や安心感を表現するために青系統が多く使われています。

一方、自然や健康をテーマとする業界では緑やナチュラルな色味が好まれる傾向があります。

下記のように、業種別によく選ばれるコーポレートカラーの例をまとめました。

業種よく使われる色印象
金融青、紺信頼、安定
IT・通信青、グレー革新、知性
食品赤、緑、オレンジ活力、安心感

自社の業界で一般的に使われている色と、独自性を出せる色とをバランスよく選ぶことが大切です。

競合他社と差別化するための配色戦略

競合他社と似た色を使うと、ブランドの印象が埋もれてしまう恐れがあります。そのため、配色で差別化を図る戦略も重要です。

まずは、自社の競合や同業他社のコーポレートカラーをリサーチし、色が重複していないかを確認しましょう。

もし近い色を使う場合でも、色味(明るさや濃さ)や組み合わせ方を工夫してオリジナリティを出せます。また、アクセントカラーを加えることで独自性を高めることもできます。配色のバランスや組み合わせを意識しながら、他社と違いを生み出す工夫がポイントです。

社名や社風に由来するカラー選定のヒント

社名や社風から色を考える方法も、コーポレートカラー選定の有力な手段です。たとえば、社名に「グリーン」や「ブルー」と入っていれば、それにちなんだ色を選ぶことで覚えやすく親しみやすい印象になります。

また、「明るく元気な社風」を表現したい場合は、オレンジやイエローなどポジティブなイメージの色が適しています。逆に、落ち着きや伝統を大切にする社風であれば、紺色やグレーなど落ち着いた色を選ぶとよいでしょう。このように、社名や社風をヒントにしながらカラーを検討すると、企業の本質に合った色選びがしやすくなります。

色が持つイメージとコーポレートカラーの心理的効果

コーポレート カラー と は

色には見る人の感情や印象に影響を与える心理的効果があります。コーポレートカラーを選ぶ際は、それぞれの色が持つイメージや効果を理解しておくことが大切です。

主要な色が持つ心理的イメージの解説

色ごとに一般的にイメージされる印象や心理的効果があります。下記は代表的な色の例です。

主なイメージ効果や特徴
信頼、誠実、冷静安心感を与える
情熱、エネルギー活力を感じさせる
安らぎ、自然リラックス効果
元気、希望明るい印象
高級感、重厚感信頼・格調高い

たとえば、青は多くの企業が採用している色で、誠実さや信頼感を必要とする業種によく使われています。赤は情熱や活力を与え、消費者の注目を集めやすいのが特徴です。

色の持つイメージを企業の方向性と合わせて選ぶことで、伝えたいブランドイメージを強化できます。

色の印象がブランド戦略に及ぼす効果

コーポレートカラーは、消費者が企業や商品を選ぶ際の判断基準の一つになります。たとえば、銀行のコーポレートカラーがピンクやオレンジだと、不安に感じる人がいるかもしれませんが、青系だと信頼感が高まりやすくなります。

企業が発信したいメッセージと、色が与える印象が一致していると、ブランド戦略がより効果的に機能します。色の選び方で企業の信頼性や親しみやすさを高め、消費者との良好な関係構築にもつなげることができます。

ターゲット層別に考える色選びのポイント

ターゲット層によって、効果的な色は異なります。たとえば、若年層向けの商品やサービスでは、明るく鮮やかな色が好まれる傾向があります。一方、ビジネスパーソンや高齢者向けでは、落ち着いたトーンや信頼感を与える色が適しています。

ターゲットの年代や性別、ライフスタイル、価値観などをリサーチしたうえで、「誰に伝えたいのか」という視点から色を選ぶことが大切です。場合によっては、複数のサンプルを用意し、実際にターゲット層の意見を取り入れるのも有効な手法です。

多色・カラフルなコーポレートカラーの活用例

最近では、一色だけでなく複数の色を組み合わせたコーポレートカラーを採用する企業も増えています。これは多様性や柔軟性、グローバルなイメージを表現したい場合に有効です。

たとえば、IT企業やスタートアップでは、カラフルな配色で新しさや活力を強調している例があります。ただし、多色展開の場合は配色バランスが重要です。色数が多すぎると統一感が損なわれやすくなるため、使用する場面やルールを明確にしておくことがポイントです。

有名企業に学ぶコーポレートカラーの成功事例

コーポレート カラー と は

多くの有名企業が、コーポレートカラーを上手に活用してブランド力を高めています。ここでは国内外の事例や、色によるブランドイメージ強化の工夫を紹介します。

世界的ブランドのコーポレートカラー事例

世界で知られる多くの企業は、コーポレートカラーを戦略的に活用しています。たとえば、コカ・コーラは赤、ナイキは黒、アップルはシルバーやグレーを基調にして視覚的な一貫性を持たせています。

これらの企業の共通点は、ロゴや広告、商品パッケージに至るまで同じ色を徹底して使うことで、人々の記憶に残る印象をつくっている点です。長年にわたり一貫した色使いを続けることで、世界中で認知度や信頼感を高めています。

国内企業のコーポレートカラー事例とその理由

国内企業でも、コーポレートカラーを上手に活用している例があります。たとえば、ヤマト運輸の「緑と黄色」や、三井住友銀行の「緑」、NTTドコモの「赤」などは、消費者の記憶に強く残る色使いで知られています。

これらの企業は、自社のブランドイメージや、提供するサービスの特性に合った色を選んでいます。たとえば、ヤマト運輸は「信頼・安全」のイメージを緑、配達のスピーディさを黄色で表現しています。色選びの背景には、顧客へのイメージ訴求を重視した戦略があることが分かります。

コーポレートカラーがもたらすブランド力向上の実例

コーポレートカラーの一貫した活用により、ブランド力が向上した事例も数多くあります。たとえば、ある食品メーカーでは商品パッケージや広告、店舗内装に至るまで同じカラーを使い続けた結果、商品の認知度やリピート率が向上したというデータがあります。

このように、コーポレートカラーを一貫して使用することで、消費者が一目でその企業や商品を認識しやすくなります。ブランドの認知拡大や、他社との差別化にもつながるため、継続的な運用が重要です。

オリジナル名称を使ったコーポレートカラーのブランディング

企業によっては、コーポレートカラーに独自の名称を付けて話題性やブランド価値を高めているケースもあります。たとえば、「シャネルブラック」や「ミズノブルー」など、オリジナルの色名を作り、自社の独自性をアピールしています。

オリジナル名称を使うことで、社員や顧客の間で愛着が生まれやすくなり、ブランドの認知度向上にもつながります。自社の理念や歴史にちなんだネーミングを考えることで、よりブランドイメージを強く印象づけることが可能です。

コーポレートカラー導入後の活用と運用のポイント

一度決定したコーポレートカラーは、その後の運用や活用方法も大切です。社内外で統一感を持たせ、ブランド価値を損なわない工夫が求められます。

社内外でのコーポレートカラー活用シーン

コーポレートカラーは、さまざまな場面で活用されています。主な活用例を挙げます。

  • 名刺や封筒などのビジネスツール
  • 会社案内やパンフレット、ホームページ
  • 制服や店舗内装、広告物

これらのツールや場所で一貫した色使いを行うことで、企業イメージがより明確になります。社内イベントやノベルティにもコーポレートカラーを取り入れることで、社員の一体感やモチベーション向上にも寄与します。

ロゴやユニフォームなど各所での一貫した運用方法

コーポレートカラーの運用では、特にロゴやユニフォーム、印刷物、ウェブサイトなど主要なメディアでの一貫性が重要です。

たとえば、ロゴの配色ルールを明確に決めておくことで、どの媒体でも同じ色で表現できます。

ユニフォームや作業着にコーポレートカラーを取り入れることで、社員の意識統一や社外への印象アップにもつながります。色の使い方にばらつきが出ないよう、具体的な使用例や禁止事項を決めておくと安心です。

コーポレートカラー管理とガイドライン作成の重要性

コーポレートカラーを守り続けるためには、色の使い方や組み合わせルールをまとめたガイドライン(指針)の作成が不可欠です。ガイドラインを用意しておけば、担当者が変わっても同じ基準で運用できます。

ガイドラインには、色のコード(例:RGB値やCMYK値など)や使用例、配色パターン、禁止事項などを記載します。特に、外部の制作会社にデザインを依頼する際にも、ガイドラインがあればスムーズなコミュニケーションが可能になります。

選定後に見直しや変更を検討する際の注意点

コーポレートカラーの見直しや変更を検討することもあるでしょう。しかし、頻繁な変更はブランドイメージの混乱につながりやすいので注意が必要です。

色の変更を考える場合は、全社的な合意形成や、顧客への丁寧な説明が不可欠です。

また、既存のロゴやツールの変更コストも発生します。変更の理由や目的を明確にし、必要に応じて段階的に切り替える方法も検討しましょう。移行期間を設けて新旧の色を併用することで、混乱を最小限に抑えられます。

まとめ:コーポレートカラーで企業ブランドの価値を最大化するために

コーポレートカラーは、企業の個性や価値を伝えるための大切な要素です。色の選定から運用まで、一貫性を持たせることで、ブランドイメージや社内の一体感を高めることができます。

自社の理念やビジョン、ターゲット層をよく考えながら、最適なコーポレートカラーを導入しましょう。ガイドライン作成や適切な運用、定期的な見直しを通して、企業ブランドの価値をさらに高めていくことが大切です。

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この記事を書いた人

岩永 圭一のアバター 岩永 圭一 アルル制作所 代表取締役

2003年にECサイト「ウェディングアイテム」を立ち上げ、手作り結婚式を応援。年商3億円達成。2005年デザイン会社を設立。2社を譲渡後、2021年にアルル制作所を立ち上げ、オウンドメディア運営代行『記事スナイパー』を開始。これまで立ち上げた事業は、他にも中古ドメイン販売・キーワードツール・バー専門ホームページ制作・記事LP制作・レンタルスペース・撮影スタジオと多岐にわたる。

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