インスタ広告で音楽の著作権を守る方法|通知が来たときの初動からフォーマット別設定まで

音楽を広告に使うと、視聴者の印象が強まり効果も上がりますが、著作権の扱いを誤ると配信停止や損害賠償につながることがあります。特にMeta(Instagram)の仕組みやビジネスアカウント特有の制限は分かりにくい部分が多く、事前に押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、今すぐできる対策や音源の選び方、トラブル発生時の対応まで実務的に整理してお伝えします。
インスタの広告で使う音楽と著作権を守るために今やるべきこと

Metaの提供する音源をまず選ぶ理由
Metaが提供する音源を優先するのは、利用範囲が広告配信向けに明確に設定されている点が大きな理由です。公式ライブラリやサウンドコレクションはポリシー上の問題が少なく、ビジネスアカウントでも安心して使いやすくなっています。
また、Meta側で権利処理が済んでいるため、配信後に著作権通知が届くリスクを低くできます。音量やフェードなど編集の自由度も高く、手持ちの映像と合わせやすい点も便利です。
ただし、ライブラリ内でも使用条件がある場合があるため、曲ごとの注意書きは確認してください。万が一に備え、使用記録(画面キャプチャやダウンロード履歴)を保存しておくと安心です。
広告作成画面で音楽を設定する箇所
広告作成画面ではクリエイティブ設定のステップで音楽を選びます。まず「メディアのアップロード」や「編集ツール」を開き、音声トラックの追加メニューを探してください。ここでMetaの音源ライブラリや自分でアップロードした音源を指定できます。
音楽の開始位置やループ、音量バランスはプレビュー画面で必ず確認してください。スマホ向けフォーマットでは音声がオートプレイでミュートになるケースもあるため、テキストや字幕で補完する運用も検討しましょう。
複数のフォーマットをまとめて作る場合は、各フォーマットごとに音源設定が反映されているかをチェックします。変更を保存したらテスト配信(限定オーディエンスや非公開でのプレビュー)で最終確認を行ってください。
ビジネスアカウントでの制限への対処
ビジネスアカウントでは商用利用に関する制限が強化されています。個人アカウントで使える楽曲がビジネスアカウントでは利用不可となることがあるため、広告用の音源は事前に商用利用が許可されたものを選ぶ必要があります。
対処法としては、Metaが提供する音源を使うか、ライセンスを明示した外部音源を購入することです。音源提供者から受け取ったライセンス文書は広告運用チームや代理店と共有しておくとトラブルを避けられます。
また、プラットフォーム上で著作権に関する通知が来た場合に備え、連絡先や契約情報を整備しておくと迅速に対応できます。権利関係が不明確な場合は広告配信を保留する判断も必要です。
著作権通知が来たときの初動手順
著作権通知が届いたら、まず通知内容と該当広告をすぐに確認してください。どの部分の音源が問題か、どの権利者からの通知かを特定することが優先です。
次に広告配信を一時停止し、該当の音源使用の根拠(ライセンス契約やダウンロード記録)を確認します。権利を証明できる書面がある場合は、速やかにMetaへ提出できるよう準備してください。
書面がない、または権利者が異なると判明した場合は、代替音源に差し替えるか広告を削除する対応が必要です。通知に従い修正を行ったら、再配信前に問題が解消されたかを確認してから公開してください。
広告で使える音源の種類とそれぞれの特徴

Metaサウンドコレクションの特徴
Metaサウンドコレクションは、広告や投稿で使える楽曲や効果音がまとまったライブラリです。利用条件が広告向けに明確で、ダウンロードや編集がしやすく、商用利用の可否で迷うことが少ない点が利点です。
ジャンルやムードごとに検索でき、短尺のループ素材もそろっているため、動画尺に合わせた選曲がしやすいです。品質も広告用を想定したものが多く、映像との親和性が高い素材が見つかります。
ただし、すべてのトラックが無条件でどこでも使えるわけではありません。使用前に各トラックの説明を確認し、必要ならダウンロード記録を保存してください。
インスタのミュージックライブラリを活用する方法
インスタのミュージックライブラリは投稿用の楽曲が多数登録されていますが、広告での利用は楽曲によって制限があります。広告作成画面からアクセスできる楽曲は広告利用可能なものに限られるため、ライブラリ内で「商用利用可」表示を確認してください。
選曲時は、映像のテンポや尺に合わせて開始位置を調整し、音量を映像のナレーションや効果音とバランスさせます。字幕やテキストで情報を補完することで、ミュート再生でも伝わりやすくなります。
権利表示が必要なケースや、特定国で利用不可の楽曲もあるため、地域ターゲティングに注意してチェックしてください。
著作権フリー素材の探し方と注意
著作権フリーと称される素材には、ライセンスが異なるものが混在します。まずは信頼できる配信元(制作会社や大手素材サイト)を選び、ライセンス条件を必ず確認してください。無料でも商用不可のケースや帰属表示が必要なケースがあります。
探す際は検索フィルターで「商用利用可」「編集可」を選ぶと効率的です。ダウンロード時の利用規約や保存された証拠を保管し、将来の問い合わせに備えます。
注意点として、フリー素材の再配布や転用が禁止されている場合があるため、広告配信前に利用範囲を確認することが重要です。
外部ライセンスの購入と費用の見方
外部でライセンスを購入する場合は、使用範囲(媒体、期間、地域、改変可否)を明確にして見積もりを取ります。費用はこれらの条件で大きく変わるため、どこまで権利を取得するかを優先順位を付けて決めると無駄がありません。
ライセンス契約書は必ず書面で受け取り、広告運用チームと共有してください。権利者が複数いる楽曲は別途クリアランスが必要になることがあるため、購入前に確認することで予期せぬ追加費用を防げます。
広告フォーマット別の音楽設定方法とできないケース

フィード広告での音楽設定の手順
フィード広告では、クリエイティブ編集画面で音声トラックを追加します。まず映像をアップロードし、次に音楽の選択メニューからMetaライブラリや自分のトラックを指定します。
音量調整やフェードイン・アウトの設定はプレビューで確認し、ナレーションが埋もれないようバランスを取ります。複数フォーマットを作る場合は、各サイズで音声が正常に再生されるかを必ずチェックしてください。
注意点として、フィードでの自動再生は音声がミュートの状態で始まることがあるため、字幕やビジュアルでメッセージを補うと効果的です。
ストーリーズ広告での音楽の入れ方
ストーリーズ広告は縦型フォーマットのため、短尺でインパクトのある楽曲が向いています。広告作成時に音楽を挿入し、開始位置を短く調整して映像のハイライトと同期させます。
タップやスワイプで次に進む特性があるため、冒頭数秒で興味を引く音を設定することを意識してください。音声がミュートで再生される可能性があるので、字幕やキャプションの併用も必須です。
リール広告での音楽利用の扱い
リール広告は音楽重視のフォーマットで、Metaのライブラリから直接選べる楽曲が多く用意されています。ただし、楽曲の商用利用可否はトラックごとに異なるため、広告用途で使えるか必ず確認してください。
リールはユーザー生成コンテンツと同じ枠組みで扱われることが多く、流行曲や著名な楽曲は制限がかかるケースがあります。トラブル回避のために、事前に使用可否をチェックし、必要なら代替楽曲を用意しておくとよいです。
Advantageプラスのクリエイティブでの音楽扱い
Advantageプラスの自動最適化クリエイティブでは、Meta側が要素の組み合わせを最適化します。音楽も自動で選ばれるか、運用者が指定した中から選ばれますが、選択肢に商用利用不可の楽曲が含まれていないかを確認することが重要です。
自動化に頼る場合でも、素材ライブラリの中身を整え、商用利用可能なトラックだけを用意しておくと安心です。最終配信前にプレビューで音楽が適切に反映されているか確認してください。
設定が反映されないときの対処
設定が反映されない場合は、まずブラウザやアプリのキャッシュをクリアし、再度編集画面を読み込んでください。複数のフォーマットやバリエーションを同時に編集していると反映漏れが生じることがあります。
それでも改善しない場合は、音源の権利設定やファイル形式(サポートされるコーデックかどうか)を確認します。必要ならMetaサポートにスクリーンショットとともに問い合わせて、具体的なエラー内容を伝えてください。
著作権トラブルを防ぐチェックリスト

使用許諾とライセンスを書面で確認する
楽曲を使う前に、使用許諾の範囲を必ず書面で確認し保存してください。口頭の了承だけでは後で証明できないため、契約書や利用規約のスクリーンショットを保管します。
ライセンスに記載される項目で特に重要なのは、利用媒体、期間、地域、改変の可否です。これらが広告配信計画と合致しているかを確認したうえで進めてください。
楽曲の権利者を確実に把握する
楽曲には作曲者、編曲者、レコード会社など複数の権利者が関わることがあります。使用前にどの権利を取得する必要があるかを確認し、必要に応じて関係者全員から許諾を得てください。
複数権利者がいる場合は、全員分のクリアランスが取れているかをチェックリスト化して管理すると漏れを防げます。
外部制作物を広告で使う前に確認すること
外部制作物(代理店制作、フリーランス納品物など)に含まれる音楽が第三者素材でないか確認してください。制作時に使用した音源のライセンス情報を提出してもらい、広告での利用範囲を明確にしておきます。
また、納品物に音楽の出処が記載されていない場合は追加確認を依頼し、問題があれば差し替えや再編集を依頼します。
フリー素材の利用規約を守る
フリー素材でも利用規約は必ず守ることが重要です。帰属表示が必要な場合や商用利用が制限されている場合があるため、条件に従って表記や利用方法を整えてください。
利用規約に違反すると配信停止だけでなく法的な問題になることもありますので、社内ルールとしてチェック項目を用意しておくと安心です。
広告で音楽を使うときに守るべき簡単ルール
広告用の音楽選びは以下の点を守るとトラブルを減らせます。
- 使用する音源の商用利用可否を確認し、書面で保存する
- Meta提供のライブラリやサウンドコレクションを優先する
- 楽曲の開始位置・音量をフォーマットごとに調整してプレビューする
- 外部購入の際は使用範囲(媒体・期間・地域)を明確にする
- 配信前に権利関係のチェックリストで最終確認する
これらを日常業務に組み込むことで、安心して音楽を使った広告運用が行えます。
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