nofollow属性がSEOに与える影響とは?正しい使い方とリスク回避のポイント

SEOやWeb集客に関心があるものの、専門用語や設定方法が複雑で戸惑う方も多いのではないでしょうか。特に「nofollow属性」は、検索結果や自社サイトの評価に関わるため、正しい使い方を知っておきたいと感じる方が多いです。

この記事では、nofollow属性の基本から具体的な設定方法、SEOへの影響や注意点までをやさしく解説します。実際の運用場面を想定し、迷いやすいポイントやよくある疑問にも丁寧に触れていますので、初心者の方でも安心して読み進めていただけます。

目次

nofollow属性とは何か基本を押さえよう

nofollow seo

まずはnofollow属性の基本と役割について、わかりやすく整理しておきましょう。

nofollow属性の定義と誕生の背景

nofollow属性とは、リンク先サイトに対して「検索エンジンの評価を渡さないようにする」ためのHTML属性です。リンクを貼る際、通常は「aタグ」にrel=”nofollow”を追加して使います。Googleなどの検索エンジンは、この属性が付いたリンクをたどる際、リンク先のサイト評価に反映しません。

この属性が生まれた背景には、主にスパム対策があります。たとえばコメント欄などに不正なリンクが大量に貼られると、検索エンジンの評価操作につながってしまうことがありました。そうした問題を防ぐため、2005年にGoogleや他の主要な検索エンジンによってnofollow属性が導入されました。

nofollowと通常リンクの違い

nofollowが付いていない通常のリンクは、検索エンジンがそのリンクを通じてページを評価したり、クロール対象としたりします。つまり、リンク先のサイトの順位にも影響を与えることがあります。下表のような違いがあります。

種類クロール(巡回)評価への影響
通常リンクありあり
nofollow基本なしなし

nofollowを付けることで、リンク先の評価や検索順位が意図せず変動するリスクを減らせます。ただし、最近では必ずしも全く無視されるわけではないという指摘もあるため、運用時は注意しましょう。

nofollowとnoindexの違い

nofollowとよく混同されやすいのが「noindex属性」です。nofollowは「リンクの評価を渡さない」のに対し、noindexは「ページ自体を検索結果に表示させない」ための指示です。

たとえば、noindexはmetaタグでページ全体に指定し、そのページをGoogleなどの検索結果に出さないようにします。一方、nofollowはリンクごと、あるいはページ全体で「リンク評価を送らない」ことを目的としています。目的や使い方が異なるので、混乱しないようにしましょう。

nofollowが導入された理由

nofollowが導入された背景には、スパムリンクや不正なSEO対策が広がったことが大きな要因です。特に、誰でも投稿できる掲示板やブログコメント欄に、大量のリンクを貼り付けて検索順位を上げようとする手法が問題になりました。

このような不正行為に対して、ウェブ管理者の対策だけでは限界がありました。そこで、検索エンジン側が推奨する形でnofollow属性が普及し、サイト運営者が簡単にスパム対策できるようになりました。今では、Googleをはじめとした検索エンジンが公式にサポートする基本的なSEO施策の一つとなっています。

nofollow属性を使うべき場面とその判断基準

nofollow seo

nofollow属性は、どんな時に設定すればよいのでしょうか。ここでは主なケースと、判断のポイントを紹介します。

有料リンクや広告への対応

有料リンクや広告リンクは、Googleが特に気にするポイントです。お金を払ってリンクを設置することで検索順位を操作する行為はガイドラインで禁止されています。そのため、有料で設置するリンクや広告バナーには必ずnofollow属性を付けることが推奨されています。

有料リンクにnofollowを付けることで、リンク先への評価やランキング操作の意図が排除されます。広告主との信頼関係や、自サイトのリスク回避のためにも、広告系リンクには確実に設定しておきましょう。

ユーザー生成コンテンツでのリスク対策

掲示板、ブログのコメント欄、レビューなど、ユーザーが自由に投稿できる場所には、悪意のあるリンクが貼られることがあります。こうしたユーザー生成コンテンツ(UGC)は、運営者がすべてを管理するのが難しいため、スパムや不正リンクの温床になりがちです。

このような場合、該当部分のリンクすべてにnofollow属性を付けることで、検索エンジンからの評価が発生しないようにできます。サイト全体の信頼性維持や、意図しないSEOリスクの回避につながります。

信頼性の低い外部サイトへのリンク時

リンク先の情報が正確かどうか不明だったり、運営元が明らかでない場合には、念のためnofollow属性を付けておくと安心です。たとえば、外部の口コミサイトや、情報ソースが不確かなウェブページを紹介する際などが該当します。

信頼できるサイト(公式機関や大手メディアなど)であればnofollowは必要ありませんが、少しでも不安がある場合はnofollowを活用した方がリスクを減らせます。適切な判断が、安全なサイト運営につながります。

ページランクを渡したくない場合

自社サイト内や外部サイトにリンクを設置する際、ページランキング(検索エンジンの評価)を意図して渡したくないページがある場合にもnofollowが役立ちます。たとえば、重複コンテンツへのリンクや、SEO上あまり価値がないと判断されるページへのリンクなどです。

このような場合、nofollowを使ってリンク先への評価をコントロールできます。ただし、過剰に使用するとサイト全体の評価や巡回に影響する可能性があるため、バランスを考えて設定しましょう。

nofollow属性の設定方法と実装手順

nofollow seo

ここでは、実際にnofollow属性を設定する具体的な方法や、確認方法について解説します。

aタグで個別リンクにnofollowを指定する方法

個別のリンクに対してnofollow属性を設定する最も一般的な方法は、aタグの中にrel=”nofollow”を追加することです。たとえば以下のように記述します。

このように記載することで、該当リンクが検索エンジンから評価されるのを防ぎます。特定のリンクだけ評価を外したい場合や、有料リンク・広告リンクへの対応に便利です。複数の属性を同時に指定したい場合は、rel属性の中で半角スペースで区切って記載します。

metaタグでページ全体にnofollowを適用する方法

ページ内のすべてのリンクを対象に一括でnofollowを指定する場合は、metaタグを使います。headタグ内に下記のように記述します。

この設定により、ページ内すべてのリンクが検索エンジンから評価されなくなります。全体で一括指定したい場合や、特定ページのみリンク評価を止めたい場合に利用できます。ただし、すべてのリンクに適用されるため、意図しないリンクまでnofollowになる点は注意が必要です。

WordPressなどCMSでのnofollow設定方法

WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)では、nofollow属性を簡単に設定できるプラグインがあります。たとえば「All in One SEO」「Yoast SEO」など、主要なSEOプラグインにはリンク編集画面でnofollowを指定する機能が備わっています。

また、投稿画面でリンクを挿入する際に「nofollowを追加」のチェックボックスが表示される場合もあります。コード編集に自信がない方や、リンク数が多い場合には、こうしたプラグインを活用すると手間を大幅に省けます。

nofollowが正しく設定されているか確認する方法

nofollow属性が正しく設定されているかどうかをチェックするには、いくつかの方法があります。代表的なものを紹介します。

  • ブラウザの「ページのソース表示」機能で、該当リンクのaタグやmetaタグを直接確認する
  • Chrome拡張機能「NoFollow」などを利用して、nofollowが付いたリンクを視覚的にハイライト表示する
  • 専用のSEOチェックツールを使い、サイト全体のリンク属性を一覧で確認する

複数の方法を組み合わせることで、設定漏れや意図しない箇所への適用ミスを防げます。運用後も定期的にチェックしておくと安心です。

SEOにおけるnofollow属性の役割と効果

nofollow seo

nofollow属性はSEO対策にどう影響するのでしょうか。主な効果や注意点を整理します。

検索エンジンのクロールやインデックスへの影響

nofollow属性が付いたリンクは、検索エンジンが基本的に評価を渡しません。Googleの公式発表によれば、nofollowリンクはクロール(検索エンジンの巡回)の指示ではなく、あくまで評価しないよう提案するものという位置づけです。

ただし、最近のGoogleではnofollowリンクも状況によりクロールやインデックスの参考情報として活用する場合があるとされています。そのため、完全にリンク先非表示になるわけではなく、一定の影響が残ることがあります。この点を理解し、対策を考える必要があります。

nofollowがSEO評価に与える影響と注意点

nofollowリンクは、原則として被リンクによる評価やランキングの上昇にはつながりません。たとえば有料リンクや広告リンクに対しては、nofollowを正しく付けることで検索エンジンからのペナルティ回避が期待できます。

一方で、すべてのリンクにnofollowを乱用すると、内部リンクの効果やサイト全体の評価伝達が損なわれます。SEOの観点では、信頼できるサイトや重要な内部ページへのリンクにはnofollowを付けない方が望ましいです。属性の使い分けが大切です。

内部リンクと外部リンクでのnofollow活用例

nofollow属性の使い方を内部リンクと外部リンクに分けて見てみましょう。

リンクの種類nofollowの活用例
内部リンクプライバシーポリシーや利用規約ページなど、SEO上重視しないページへのリンク
外部リンク信頼性の低いサイト、広告、アフィリエイトリンクなど

重要なコンテンツや評価を伝えたいページに対してはnofollowを避け、リスク管理や広告リンクなど特定の場面で使うのが基本です。

全リンクにnofollowを使用する際のデメリット

すべてのリンクにnofollow属性を付けると、サイト内外の評価伝達が遮断されてしまいます。これにより、内部リンクの力が弱まり、検索エンジンがサイト構造を正しく理解しにくくなります。

また、外部リンクで信頼できる公式サイトなどにnofollowを付けてしまうと、自然な情報共有の流れが損なわれます。Googleは「必要な場面にのみnofollowを使うように」と推奨しており、乱用はSEOやユーザー体験の観点からも避けるべきです。

nofollowから派生したugc属性とsponsored属性

nofollow以外にも、リンクの種類を明確に指定できる属性が追加されています。その意味や使い分けについて解説します。

ugc属性の意味と設定シーン

ugc属性は「User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)」の略で、掲示板やコメント欄、レビュー投稿など、ユーザーが投稿した内容内のリンクに指定します。つまり、運営者ではなく第三者が設置したリンクを明示するための属性です。

たとえば、掲示板の投稿部分や商品の口コミ欄などに自動的にrel=”ugc”を付けることで、検索エンジンに「このリンクはユーザー投稿由来」と伝えることができます。nofollowと併用することも可能です。

sponsored属性の意味と使い方

sponsored属性は、広告やスポンサーリンクなど「対価を伴うリンク」であることを示すための属性です。有料広告やアフィリエイトリンク、タイアップ記事内のリンクなど、経済的なメリットが発生する場合に指定します。

具体的には、rel=”sponsored”をリンクに付けることで、Googleに「これは広告リンク」と明確に伝えることができます。これにより、有料リンクによるランキング操作ペナルティのリスクを避けやすくなります。

nofollowとugc・sponsoredの違い

nofollow、ugc、sponsoredの違いは下記の通りです。

属性主な用途推奨される場面
nofollow評価を渡さない一般的な指示広告、信頼性不明な外部リンクなど
ugcユーザー生成コンテンツの明示コメント欄、レビューなど
sponsored有料リンク・広告の明示広告、タイアップ、アフィリエイト

属性は単独でも併用でも指定できますが、意図や状況に応じて適切なものを使い分けることが重要です。

Googleの最新ガイドラインと属性の選び方

Googleは2019年にugc属性とsponsored属性の導入を発表し、リンクの種類ごとに属性を使い分けることを推奨しています。従来のnofollowも引き続き利用できますが、より詳細な区別を求める方向になっています。

実際の運用では、広告やアフィリエイトはsponsored、ユーザー投稿はugc、どう分類してよいかわからない場合はnofollowを使うのが目安です。ガイドラインに沿った使い分けが、サイトの評価やペナルティ回避につながります。

よくある疑問とnofollow活用の注意点

nofollow属性の使い方をめぐる疑問や、誤解しやすいポイントをQ&A形式でまとめます。

nofollowリンクでもSEO効果はあるのか

原則として、nofollowリンクはリンク先ページの評価やランキングには直接影響しません。しかし、Googleでは「nofollowはあくまで評価しないよう推奨する属性」と位置付けており、状況によってはクロールや発見の参考に使われる場合もあります。

また、間接的にトラフィックが増えたり、ユーザーが有用な情報として拡散したりすることで、結果的に自然な被リンク獲得につながる可能性もあります。SEO効果を期待しすぎない姿勢が大切です。

内部リンクにnofollowは必要か

基本的に、サイト内の重要なページやコンテンツ同士のリンクにnofollowを設定する必要はありません。むしろ、内部リンクを適切につなげることで、検索エンジンがサイト構造を理解しやすくなります。

例外として、利用規約やプライバシーポリシー、またはSEO上重視しないページへのリンクにはnofollowを設定することがありますが、全体のバランスを見て判断することが大切です。

どんなリンクにもnofollowを付けるべきか

すべてのリンクにnofollowを付けてしまうと、ユーザーの利便性やサイト全体の評価伝達が損なわれてしまいます。信頼できる外部サイトや、SEO上重要なページへのリンクにはnofollowを付けない方がよいでしょう。

nofollowは、広告やユーザー投稿、信頼性が不明な外部リンクなど、リスク管理を目的とした場面で限定的に使うのが理想的です。

nofollowとSEO対策のバランスの取り方

SEO対策を意識しすぎてnofollowを使いすぎると、内部リンクの効果やユーザー体験が悪化する場合があります。一方で、リスクの高いリンクを放置すると、ペナルティや評価低下のリスクが高まります。

運用のポイントは、リンクの種類や設置目的ごとに適切な属性を選び、Googleガイドラインと照らし合わせてバランスよく使うことです。定期的な見直しや、属性の設定状況をチェックすることも大切です。

まとめ:nofollow属性の正しい理解とSEO活用で安全なWeb運営を

nofollow属性は、正しく使えば不正な評価操作やスパム対策に役立つ一方、使い方を誤るとサイト評価やユーザー体験に悪影響が出る可能性もあります。

有料リンク、ユーザー投稿、信頼性が不明な外部リンクなど、リスク管理が必要な場面で適切にnofollowを活用し、信頼できるサイトや重要な内部リンクには不要な設定を避けましょう。また、ugc属性やsponsored属性も活用することで、より詳細なリンク管理が可能になります。

ガイドラインを守りつつ、自社サイトの特徴や運用方針に合わせてnofollowを使い分けることで、SEOの健全性と安全なWeb運営を両立できます。定期的なチェックと柔軟な対応を心がけましょう。

ポストしてくれるとうれしいです

この記事を書いた人

岩永 圭一のアバター 岩永 圭一 アルル制作所 代表取締役

2003年にECサイト「ウェディングアイテム」を立ち上げ、手作り結婚式を応援。年商3億円達成。2005年デザイン会社を設立。2社を譲渡後、2021年にアルル制作所を立ち上げ、オウンドメディア運営代行『記事スナイパー』を開始。これまで立ち上げた事業は、他にも中古ドメイン販売・キーワードツール・バー専門ホームページ制作・記事LP制作・レンタルスペース・撮影スタジオと多岐にわたる。

目次