指名検索数の調べ方!SearchConsoleと広告データで判断する手順

指名検索数は、ブランド名や会社名、サービス名がどれくらい検索されているかを見る大事な手がかりです。ただし、単純に検索回数だけを見ればよいわけではなく、Google検索での表示回数、検索ボリューム、広告データ、自社サイトへの流入数はそれぞれ意味が違います。

名前を知っている人が増えているのか、テレビCMやSNS投稿の影響が出ているのか、競合名と比較して強いのかを判断するには、先に「何を指名検索数として扱うか」を決める必要があります。この記事では、Search Consoleやキーワードプランナーなどを使い分けながら、自社の状況に合う調べ方を判断できるように整理します。

目次

指名検索数の調べ方は目的で変える

指名検索数の調べ方は、何を知りたいかによって変わります。自社サイトに来た指名検索を見たいならGoogle Search Console、世の中全体の検索需要をざっくり見たいならGoogle広告のキーワードプランナーやSEOツール、時系列の増減を見たいならGoogleトレンドが向いています。どれか1つの数字だけで判断すると、ブランド認知が伸びているのか、単に順位や表示条件が変わっただけなのかを見誤りやすくなります。

まず押さえたいのは、Search Consoleで見える「表示回数」は、自社サイトがGoogle検索結果に表示された回数だという点です。たとえば会社名で1,000回検索されていても、自社サイトがすべての検索結果で表示されていなければ、Search Consoleの表示回数は実際の検索数より少なく見えることがあります。反対に、同じ人が何度も検索した場合や、社名とサービス名の複合語が多い場合は、単純な人数とは一致しません。

そのため、指名検索数を調べるときは「正確な検索回数を1つ出す」よりも、「同じ条件で継続して見て、増減や要因を判断する」考え方が大切です。特に中小企業、店舗、BtoBサービス、採用目的のサイトでは、月ごとの数値が小さいことも多く、少しの変動で一喜一憂すると判断がぶれます。社名、ブランド名、商品名、代表者名、店舗名、略称、カタカナ表記、英語表記を分けて確認し、合計値と内訳の両方を見るのが現実的です。

知りたいこと向いている方法注意点
自社サイトに関連する指名検索の増減Google Search Console自社ページが表示された範囲のデータであり、市場全体の検索数ではありません
ブランド名の検索需要の目安Google広告キーワードプランナー広告出稿状況や検索量によって数値がざっくり表示されることがあります
過去からの人気の伸びGoogleトレンド相対的な人気度であり、実数の検索回数ではありません
競合ブランドとの比較SEOツールやGoogleトレンド表記ゆれや一般名詞との混同を分けて見る必要があります

最初に決めるべき前提

指名検索の範囲を決める

指名検索数を調べる前に、どのキーワードを指名検索として扱うかを決めます。会社名だけを見れば十分に思えるかもしれませんが、実際にはユーザーはさまざまな言葉で検索します。たとえば「株式会社サンプル」「サンプル株式会社」「サンプル 料金」「サンプル 口コミ」「サンプル ログイン」「サンプル 採用」のように、社名単体だけでなく目的語を付けて検索することが多いです。

店舗ビジネスなら、正式な店舗名、地域名付きの店舗名、略称、旧店名、Googleマップで表示される屋号も対象になります。BtoBサービスなら、サービス名、運営会社名、資料請求、評判、導入事例、ログインなどの複合語が重要です。採用目的なら、会社名に「求人」「採用」「年収」「評判」などが付く検索も指名検索として分けて見ると、求職者の関心を読み取りやすくなります。

ここで失敗しやすいのは、社名単体だけを見て「指名検索が少ない」と判断してしまうことです。特に一般名詞に近いブランド名、英語表記とカタカナ表記が混在するサービス名、地域名と一緒に検索されやすい店舗名では、検索語を広めに拾わないと実態より小さく見えます。逆に、一般的な言葉と同じ名前のブランドでは、関係ない検索まで混ざるため、Search Consoleのクリック先ページや検索語の組み合わせを見て除外する作業も必要です。

数字の意味をそろえる

指名検索数という言葉は便利ですが、実務では複数の数字が混ざりやすいです。Search Consoleの表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位、Google広告の月間平均検索ボリューム、Googleトレンドの人気度は、それぞれ測っているものが違います。会議資料やレポートで使う場合は、最初に「今回はSearch Consoleの表示回数を指名検索数の代替指標として見る」のように定義しておくと、後から解釈がずれにくくなります。

たとえば、Search Consoleでブランド名の表示回数が増えているのにクリック数が伸びていない場合、ブランド認知は増えているが検索結果上で公式サイト以外のページに流れている可能性があります。口コミサイト、求人媒体、SNS、Googleビジネスプロフィール、比較記事などが上位に出ていると、ユーザーは公式サイトをクリックしないことがあります。この場合、単純に検索需要の問題ではなく、検索結果画面での見え方を確認する必要があります。

一方で、クリック数だけを見ると、公式サイトの順位が1位で安定しているブランドほど良く見えます。しかし、すでに知名度が高いブランドでは、検索結果にナレッジパネル、地図、広告、SNS、ECモールなどが並び、クリックが分散することもあります。指名検索の評価では、検索回数そのものだけでなく、表示回数、クリック数、検索結果の占有状況、流入後の問い合わせや購入まで合わせて見ることが大切です。

Search Consoleで見る手順

クエリでブランド名を抽出する

Google Search Consoleで指名検索数を調べるときは、検索パフォーマンスの画面から始めます。対象のプロパティを選び、検索結果のレポートで期間を指定し、クエリにブランド名や会社名を含む条件を設定します。正式名称だけでなく、略称、カタカナ、英語表記、サービス名、商品名を順番に確認すると、どの呼び方で検索されているかが見えてきます。

具体的には、クエリのフィルタで「次を含む」を使い、ブランド名を入力します。たとえば「アルル制作所」を見るなら、正式名称のほかに「アルル」「aruru」「制作所」など、実際にユーザーが入力しそうな表記を確認します。ただし、短すぎる言葉は関係ない検索が混ざりやすいため、クリック先ページや検索語の前後も見て、ブランドに関係するものだけを集計する必要があります。

期間は、最低でも過去3か月、できれば過去16か月で見ます。1か月だけを見ると、テレビ露出、SNS投稿、広告配信、展示会、メール配信、季節要因などの影響で大きく上下することがあります。月別に分けて、前年同月比や前月比を見れば、単発の波なのか、継続的な認知の伸びなのかを判断しやすくなります。Search Consoleのエクスポート機能を使い、スプレッドシートでブランド名グループごとに集計すると、社内共有にも使いやすくなります。

ページ別に意図を分ける

指名検索を見るときは、クエリだけでなくページも確認します。同じブランド名を含む検索でも、トップページに来る人、料金ページに来る人、採用ページに来る人、ログインページに来る人では意図が違います。ブランド認知を知りたいのか、比較検討の強さを知りたいのか、既存顧客の利用状況を見たいのかによって、見るべきページは変わります。

たとえば「サービス名 料金」の表示回数が増えているなら、購入前の比較検討が増えている可能性があります。「会社名 採用」「会社名 年収」が増えているなら、求職者からの関心が高まっているかもしれません。「サービス名 ログイン」が多い場合は、既存ユーザーの利用行動が中心で、純粋な新規認知とは分けて考えたほうがよいです。この切り分けをせずに全部を合計すると、認知施策の成果と既存顧客の行動が混ざってしまいます。

ページ別に見ることで、改善すべき場所も見つかります。ブランド名で検索しているのにトップページのクリック率が低い場合、タイトルやディスクリプションが分かりにくい、公式サイトだと伝わりにくい、口コミサイトや採用媒体に負けているなどの原因が考えられます。検索結果で実際にどう表示されているかを確認し、公式サイト名、サービス内容、地域名、問い合わせ導線が自然に伝わる状態に整えることが大切です。

他ツールとの使い分け

キーワードプランナーで需要を見る

Google広告のキーワードプランナーは、ブランド名やサービス名の月間平均検索ボリュームを確認するために使えます。Search Consoleが「自社サイトが表示された検索」を見るのに対して、キーワードプランナーは検索需要の目安を見やすいのが特徴です。広告を出していない場合や検索量が少ない場合は、数値が幅で表示されたり、かなりざっくりした単位になったりするため、細かい実数として使うより、規模感を見るための補助として考えるのが現実的です。

使い方としては、ブランド名、サービス名、競合名、地域名付きのブランド名を入力し、月間平均検索ボリュームや推移を確認します。たとえば自社名が月間100〜1,000、競合名が1,000〜1万のように表示される場合、自社の認知がどの程度の規模感かを大まかに把握できます。ただし、一般名詞に近いブランド名では、関係ない検索需要が混ざるため、候補キーワードの一覧を見ながら除外する判断が必要です。

キーワードプランナーは、広告配信やLP改善とも相性があります。指名検索が増えているのに問い合わせが増えていない場合、検索需要はあるが公式サイトや広告の受け皿が弱い可能性があります。ブランド名で広告を出すべきか、SEOだけで十分か、競合広告に流出していないかを考えるときにも参考になります。ただし、広告費をかける判断は、検索ボリュームだけでなく、CPA、問い合わせ率、自然検索の順位、競合広告の有無を合わせて見る必要があります。

Googleトレンドで伸びを見る

Googleトレンドは、指名検索の「実数」ではなく、検索人気の変化を見るためのツールです。ブランド名が急に話題になった時期、キャンペーン後に関心が伸びた時期、季節的に検索されやすい時期を確認するのに向いています。特にテレビ出演、プレスリリース、SNSでの拡散、イベント出展、インフルエンサー投稿などの後に、検索関心が上がったかを見ると効果の手がかりになります。

注意したいのは、Googleトレンドの数値は検索回数そのものではないことです。0〜100の相対的な指標で表示されるため、100だから100回検索されたという意味ではありません。また、検索量が少ないブランド名では十分なデータが表示されないこともあります。その場合は、地域を日本全体に広げる、期間を過去5年にする、関連する商品名やサービス名も一緒に見るなど、条件を変えて確認します。

競合比較にも使えますが、名前が一般名詞と重なる場合は慎重に見ます。たとえば短いサービス名や英単語のブランド名では、ブランド目的ではない検索が混ざりやすくなります。可能であれば、検索タイプやカテゴリを調整し、正式名称や複合語で比較します。Googleトレンドは、細かいレポートの数字を作るためというより、指名検索が伸びた背景を説明する材料として使うと役立ちます。

ツール見られる主な数字向いている使い方
Google Search Console表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位自社サイトに関係する指名検索の推移確認
Google広告キーワードプランナー月間平均検索ボリュームの目安市場全体の検索需要や競合名との規模比較
Googleトレンド検索人気度の推移キャンペーンや話題化の影響確認
GA4流入後の行動、CV、エンゲージメント指名検索から来た人が問い合わせや購入につながるか確認

数字を読むときの注意点

表記ゆれと除外語に注意する

指名検索数の集計でよく起きる失敗は、表記ゆれを拾いきれないことです。会社名の前後に株式会社が付くか、カタカナと英語のどちらで検索されるか、スペースの有無、略称、旧サービス名、店舗名の支店名などによって、Search Console上では別々のクエリとして表示されます。ブランド認知を大きく見たい場合は、これらをまとめて集計する必要があります。

一方で、広く拾いすぎると関係ない検索が混ざります。たとえばブランド名が一般的な単語と同じ場合、商品を探している人ではなく、言葉の意味や別ジャンルの情報を探している人まで含まれることがあります。Search Consoleでは、該当クエリのクリック先ページ、掲載順位、CTRを見て、自社に関係する検索かどうかを判断します。スプレッドシートで集計する場合は、含める語と除外する語のルールを先に作っておくと、毎月の比較が安定します。

除外したほうがよい検索語もあります。たとえば「ログイン」「マイページ」「管理画面」は既存ユーザーの利用目的が強く、新規のブランド認知とは分けたほうがよい場合があります。「解約」「退会」「炎上」「怪しい」などは評判確認の検索として重要ですが、単純な好意的認知とは別の見方が必要です。すべてを合計するだけでなく、認知系、検討系、利用系、評判系に分けると、数字の意味が見えやすくなります。

検索数だけで成果を決めない

指名検索数が増えることは良い兆候ですが、それだけで施策の成功を判断するのは早いです。指名検索が増えても、公式サイトのクリック率が低い、問い合わせページに進まない、採用応募につながらない、店舗予約が増えない場合は、検索後の導線に課題があるかもしれません。指名検索は入口の指標であり、最終的にはGA4や問い合わせ管理、予約システム、CRMのデータと合わせて見る必要があります。

たとえば、Instagram投稿を強化した月にブランド名の表示回数が増えたとしても、問い合わせが増えなければ、投稿を見て検索した人が比較段階で止まっている可能性があります。この場合は、トップページやサービスページに料金の目安、実績、よくある質問、導入事例、店舗写真、アクセス情報などが十分にあるかを確認します。指名検索は増やすだけでなく、検索した人が不安なく次の行動に進める状態に整えることが大切です。

また、指名検索数は広告、SNS、紹介、展示会、口コミ、テレビ、チラシ、営業活動など複数の施策の影響を受けます。SEOだけの成果として扱うと、判断を間違えることがあります。月別の施策カレンダーを作り、広告開始日、キャンペーン日、プレスリリース日、メディア掲載日、セミナー開催日を一緒に記録しておくと、数字が動いた理由を説明しやすくなります。

レポート化の見方

月次で見る指標を固定する

指名検索数を社内やクライアントに報告する場合は、毎月見る指標を固定します。おすすめは、Search Consoleのブランド関連クエリの表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位、GA4の自然検索からの問い合わせ数、必要に応じてキーワードプランナーの月間検索ボリューム目安を並べる形です。毎月違う集計方法にすると、増減の原因が分からなくなるため、最初にルールを決めておくことが重要です。

レポートでは、数字だけでなく解釈も書きます。たとえば「ブランド名単体の表示回数は前月比120%、クリック数は前月比105%。一方でCTRが下がっているため、検索結果上で口コミサイトや求人媒体への分散が起きている可能性があります」のように書くと、次の改善につながります。指名検索数の増加をただ喜ぶのではなく、検索結果を見た人がどこへ流れているかまで考えると、施策の優先順位が決めやすくなります。

店舗や地域ビジネスの場合は、Googleビジネスプロフィールの表示、経路検索、通話、予約、口コミ数も合わせて見るとよいです。ブランド名で検索する人は、公式サイトだけでなくGoogleマップ上で行動することがあります。飲食店、美容室、整体院、観光施設、士業事務所などでは、指名検索の増加がサイト流入ではなく、電話やルート検索に表れることもあるため、Webサイトだけで判断しないようにします。

競合比較は条件をそろえる

競合ブランドと指名検索数を比較する場合は、条件をそろえることが大切です。自社は正式名称で検索されるのに、競合は略称で検索される場合、単純な比較では差が正しく見えません。Googleトレンドやキーワードプランナーで比較するときは、正式名称、略称、サービス名、地域名付きの検索を分けて確認し、どの表記が主に使われているかを見ます。

また、競合名を調べるときは、検索数だけでなく検索意図も見る必要があります。競合名に「口コミ」「料金」「解約」「比較」「求人」などが多く付いている場合、単純な知名度だけでなく、検討や不満、採用関心などの文脈が混ざっています。自社の指名検索と比べるときは、ブランド名単体、比較検討系、評判確認系、採用系に分けると、どこで負けているのか、どこを伸ばすべきかが見えます。

競合比較は、あくまで施策の方向性を決めるために使います。競合より検索数が少ないから広告を増やす、記事を増やす、SNS投稿を増やすと短絡的に決めるのではなく、どの層に知られていないのかを考えます。地域名付きで弱いならMEOや地域ページ、サービス名で弱いなら導入事例や比較ページ、評判系で弱いなら口コミやお客様の声の整備が優先になることがあります。

次にどうすればよいか

指名検索数を調べるなら、まずGoogle Search Consoleで過去16か月のクエリを確認し、ブランド名、会社名、サービス名、略称、表記ゆれを洗い出します。そのうえで、認知系、検討系、利用系、評判系、採用系に分け、表示回数とクリック数を月別に集計してください。最初から完璧な数字を出そうとするより、同じルールで毎月見られる集計表を作るほうが実務では役立ちます。

次に、キーワードプランナーやGoogleトレンドで市場全体の規模感や伸びを確認します。Search Consoleだけでは、自社サイトが表示された範囲しか分からないため、ブランド全体の需要を判断するには補助データが必要です。特に競合比較、広告判断、認知施策の振り返りをする場合は、複数のツールを使って「検索需要」「自社サイトへの流入」「流入後の成果」を分けて見ると、判断がぶれにくくなります。

最後に、指名検索を増やす施策と、検索後に成果へつなげる施策を分けて考えます。SNS、広告、展示会、口コミ、プレスリリースは指名検索を増やす入口になりますが、公式サイトのタイトル、サービスページ、料金ページ、事例、FAQ、Googleビジネスプロフィールが弱いと、検索した人を取りこぼします。指名検索数はブランドの健康状態を測る指標です。毎月の数字を見ながら、知られる量、選ばれる理由、問い合わせまでの導線を順番に整えていくことが大切です。

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この記事を書いた人

岩永 圭一のアバター 岩永 圭一 アルル制作所 代表取締役

2003年にECサイト「ウェディングアイテム」を立ち上げ、手作り結婚式を応援。年商3億円達成。2005年デザイン会社を設立。2社を譲渡後、2021年にアルル制作所を立ち上げ、オウンドメディア運営代行『記事スナイパー』を開始。これまで立ち上げた事業は、他にも中古ドメイン販売・キーワードツール・バー専門ホームページ制作・記事LP制作・レンタルスペース・撮影スタジオと多岐にわたる。

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