自分で作った服を売るには何が必要?資格・許可と今すぐ始める手順

自分で作った服を販売したいと考えると、どんな許可が必要か、表示や税金はどうすればいいかと不安になりますよね。趣味で作ったものをネットで売るのか、マルシェや実店舗で継続的に販売するのかで対応が変わります。ここでは分かりやすく、始める前に知っておきたいポイントと手続きの流れをまとめます。読み進めることで、まず何を確認し準備すれば安全に販売できるかが見えてきます。
自分で作った服を売るための資格と今すぐ始める手順

販売を始める前に、自分が売ろうとしている服の種類と販売方法を明確にしてください。ハンドメイド、リメイク、古着、新品の仕入れなどで必要な手続きが変わります。まずは販売場所(オンライン・イベント・店舗)と販売頻度(単発・継続)を整理しましょう。
次に、すぐに始められる基本の準備を挙げます。
- 商品写真と説明文を用意する
 - サイズや素材、洗濯表示などの品質表示を決める
 - 価格設定と送料、支払い方法を決定する
 - 必要に応じて開業届や古物商の確認を行う
 
リスク対策として、製造物責任やクレーム対応の手順も考えておいてください。まずは小さく始めて反応を見ながら整備していくと負担が少ないです。
販売前にまず確認するポイント
販売前に確認すべき点をリストにまとめます。どれも基本的な事項で、後のトラブルを減らすために重要です。
- 商品の種類:ハンドメイド、リメイク、古着、新品かを確認する
 - 販売場所:ネット、イベント、店舗のどれかを決める
 - 表示の要否:品質表示や洗濯表示が必要かどうかを確認する
 - 法的手続き:古物商や開業届などの届出が必要かを調べる
 - 税務対応:売上計上、帳簿の準備、確定申告の見通しを立てる
 
これらを整理したうえで、実際の作業を段階的に進めるとスムーズです。まずは販売ページや出店申込のテンプレートを作り、商品撮影と説明文の作成に時間を割くと良いでしょう。
ハンドメイド服は多くの場合資格が不要
自分で作った服を個人で販売する場合、基本的に特別な資格は必要ありません。趣味で作った一点物や少量の販売は、ハンドメイドとして扱われることが多く、特別な許可を求められるケースは少ないです。
ただし、継続的かつ営利目的での販売になると税務上の扱いや開業届が必要になる場面があります。個人事業主としての登録や青色申告の検討も行うと節税メリットが得られる場合があります。
また、販売する商品に関して安全性や表示義務がある場合はそれに従う必要があります。素材や用途によっては表示が義務付けられるため、販売前に確認しておきましょう。
古着やリメイクは許可の有無を見極める
古着や他人の服をリメイクして販売する場合、古物商許可が必要になることがあります。中古品を買い取って販売する場合は基本的に古物商の対象です。しかし、自宅にある不要品を整理して販売するだけなら許可は不要です。
リメイク品の扱いは素材と流通経路で変わります。仕入れた中古衣類をリメイクして販売するなら古物商の確認が必要です。一方で、自分が所有していた服をリメイクして売る場合は許可なしで販売できるケースが多いです。
出店先のルールも確認してください。マルシェやフリマではイベント側が入場規約で古物商許可の提示を求める場合があります。
品質表示と洗濯表示は必ず準備する
販売する服には素材表示や洗濯表示が必要になる場合があります。特に綿やウールなど一般的な繊維製品は表示義務が明確です。表示がないと消費者トラブルや行政からの指導対象になることがあります。
表示内容は主に素材(例:綿100%)、サイズ、製造者情報、洗濯方法です。手書きのタグや縫い付けタグでも構いませんが、見やすく正確に記載してください。複数素材や部分使いがある場合は比率の記載も必要になります。
ネット販売では商品ページに表示内容を明記することで購入者が判断しやすくなります。写真と併せて詳細を掲載すると信頼につながります。
税務と届出で最低限やること
販売を始めたら税務面の基本対応をしましょう。継続的に販売する場合は開業届を税務署に出すことで個人事業主として扱われます。売上や経費を記録するための帳簿作成も必要です。
一定の売上があると消費税の課税事業者になる可能性があります。まずは年間売上の見込みを把握し、必要なら税理士に相談してください。確定申告では売上と経費を正確に申告することが求められます。
また、青色申告を選ぶと控除などのメリットがあるため準備にメリットがあります。まずは開業届と合わせて税務署の窓口で相談するのがおすすめです。
販売に関係する主な許可と資格一覧

販売に関連する代表的な許可や届出を一覧にします。必要な手続きは商品と販売形態によって異なりますので、該当する項目だけ確認してください。
- 古物商許可:中古品を購入して販売する場合に必要
 - 開業届:継続的な事業を行う場合に提出
 - 品質表示:繊維製品に対する表示義務
 - 特定商取引法の表記:通信販売を行う場合に必要
 - 輸入手続き:海外素材を使う場合の関税・検疫対応
 - 保険:製造物責任に備える保険加入の検討
 
これらをチェックリスト化して、該当するものから手続きを進めていくと混乱が少なくなります。
古物商許可が必要になるケース
古物商許可は、他人から買い取った中古品を販売する場合に必要になります。業として継続的に中古品の売買を行うと古物営業法の対象です。仕入れて販売するフローがあるかどうかで判断してください。
自分で過去に使っていた服を売るだけの場合や、知人から譲り受けて一度だけ売る場合は許可は不要となることが多いです。ただし、イベントやプラットフォームでの取引で古物商許可の提示を求められるケースがあるため、出店規約を確認してください。
許可取得には営業所の所在地や身分証明書、住民票などの書類が必要で、管轄警察署を通じて申請します。審査に時間がかかるため、事前に計画しておくとよいでしょう。
繊維製品の表示義務と記載例
繊維製品は素材表示、製造者名、サイズ、洗濯表示などを明示する必要があります。表示が義務付けられるのは国内で販売される繊維製品が対象です。表示はタグや商品ページに記載することで対応できます。
記載例:
- 表示例(タグ):「表地 綿100%」「サイズ M」「製造者 ○○」「洗濯 可(40℃まで)」
 - 商品ページでは写真とともに素材の詳細、仕上げ方法、注意点を短くまとめると見やすくなります。
 
表示は消費者が選ぶ際の重要な情報になりますので、わかりやすく正確に記載してください。
特定商取引法の表示義務と対応
ネット販売を行う場合、特定商取引法に基づく表記が必要です。主に事業者名、所在地、代表者名、連絡先、販売価格、支払方法、返品条件を明記します。これらをショップページに分かりやすく掲載することで信頼性が上がります。
個人での小規模な販売でも表記は必要になるため、テンプレートを用意しておくと便利です。特に返品・返金ポリシーは購入者とのトラブルを防ぐために明確にしておきましょう。
輸入素材を使うときの手続き
海外から素材を仕入れる場合は輸入手続きが発生します。関税や輸入規制、検疫が必要な素材もあるため、事前に素材の分類や必要書類を確認してください。
また、輸入した素材の安全性や表示義務も確認します。海外表示だけでなく、日本語での表示が求められる場合があります。輸入コストや納期も販売計画に影響するため、仕入れ先の信頼性や配送方法も確認しましょう。
子供服の安全基準に関するポイント
子供服を販売する場合は安全基準に注意が必要です。ボタンや紐などの小さい部品が誤飲の危険を伴うため、強度や取り付け方法に配慮してください。対象年齢ごとの基準や表示も確認しましょう。
特に0~2歳向けの商品は厳しい安全基準が適用されることがあります。安全性に関する説明を商品ページに入れると購入者に安心感を与えられます。
製造物責任と補償保険の準備
販売した商品で事故やけがが発生した場合、製造物責任(PL)に関わる可能性があります。万が一に備えて保険の加入を検討してください。個人事業主向けの一般賠償保険やPL保険が利用できます。
保険加入は費用対効果を考えて判断しますが、継続的に販売するなら検討する価値があります。契約内容や補償範囲は保険会社とよく相談してください。
資格が不要になる場面とよくある誤解

ここでは資格や許可が不要となる典型的なケースと、誤解されがちな点を整理します。気軽に始められる場合も多い一方で、注意点もあります。
まず、たまに行うフリマや個人的な不要品の販売は許可不要であることが多いです。一方で、継続的に仕入れて販売する場合は別扱いになります。販売形態と目的を明確にしてください。
よくある誤解として「ハンドメイドだからすべて許可不要」と思われがちですが、素材や販売方法によっては表示義務や届出が発生する場合があります。該当しそうな項目だけ確認しましょう。
ハンドメイドのみの販売はどう扱われるか
ハンドメイド作品を自分で作って販売する場合、基本的に資格は不要です。趣味の延長で販売する少量の取引であれば、特別な許可が必要になるケースは少ないです。
ただし、販売量が増えて事業的な継続性があると判断されると税務上や社会保険上の対応が生じます。販売サイトやイベントによっては出店条件で各種書類の提出を求められることがあるため、事前に確認してください。
家の不要品を売るだけの違い
自宅の不要品を整理して売る場合は、通常古物商の許可は不要です。単発での出品や断続的な販売であれば個人的な行為として扱われます。
ただし、頻繁に同種の品を売買したり、仕入れて販売する形が伴うと業として見なされ、許可が必要になることがあります。売買の頻度や規模で判断される点に注意してください。
新品を仕入れて販売する場合の扱い
新品を仕入れて販売する場合は、古物商許可は不要ですが、事業として継続的に行う場合は開業届などの税務対応が必要です。卸や仕入れ先との契約条件も確認しましょう。
仕入れビジネスでは在庫管理や返品対応、仕入れ原価の把握が重要になります。価格設定や販売チャネルを明確にし、必要な契約書類を整えておくと安心です。
フリマやマルシェでの販売はどうなるか
フリマやマルシェでの販売はイベントの主催者規約に従う必要があります。多くの場合、ハンドメイド作品や個人の不要品販売は問題なく出店できますが、古物商許可の提示を求められることもあります。
出店申込時に規約を確認し、必要書類を用意しておくと当日のトラブルが避けられます。会場によっては申請期限や展示方法の制限がありますので注意してください。
リメイク素材を使うときの判断基準
リメイクで使う素材が中古である場合は、その入手方法が重要です。第三者から買い取った中古品を素材にして量産する場合は古物商の対象になり得ます。
一方で、自分が元々所有していた服をリメイクして販売する場合は許可不要で販売できることが多いです。素材の出どころや購入の有無を明確にしておくと判断がしやすくなります。
よくある質問と簡単な答え
- ハンドメイドのみで許可は必要?:多くの場合不要ですが、継続的な事業なら税務対応が必要になります。
 - 古着を買ってリメイクすると?:買い取って販売するなら古物商許可の可能性があります。
 - ネット販売の表示は面倒?:テンプレート化すれば対応が楽になります。
 
疑問が残る場合は、最寄りの税務署や警察署の相談窓口を利用すると安心です。
申請や届出の流れと準備方法

申請や届出は必要なものから順に進めると効率的です。各種書類や手順の概要を押さえておきましょう。事前準備をしておけば申請がスムーズに進みます。
まずは事業形態を決め、必要な書類リストを作成します。時間がかかる申請は早めに始めて、販売開始に間に合うよう調整してください。
古物商許可の申請に必要な手順
古物商許可を取得するには管轄の警察署に申請します。主な必要書類は以下です。
- 申請書(所定様式)
 - 身分証明書・住民票
 - 営業所の使用承諾書(賃貸の場合は賃貸契約書)
 - 供述書や略歴書(職歴など)
 
申請から許可取得まで数週間から数か月かかる場合があります。営業所や保管場所の確認が行われるため、申請前に場所の整備をしておくと良いでしょう。
開業届と税務処理の進め方
開業届は税務署に提出します。提出すると個人事業主として扱われ、青色申告の承認申請も併せて行うと帳簿や控除で有利になります。帳簿は売上・仕入れ・経費を日付順に記録しておくことが基本です。
確定申告の準備として日々の取引記録や領収書を整理してください。クラウド会計ソフトを使うと作業が楽になります。
品質表示の作り方と見本
品質表示は以下の要素を含めると分かりやすいです。
- 素材(例:表地 綿100%)
 - サイズ(例:着丈 60cm)
 - 洗濯方法(例:手洗い推奨、漂白不可)
 - 製造者または販売者名
 
タグは縫い付けタイプや紙タグでも構いません。ネット販売では商品ページに同じ情報を載せると購入者が安心します。
ネット販売で必要な表記を整える方法
ネット販売では次の表記をショップに掲載してください。
- 事業者名と所在地
 - 連絡先(メールアドレスや電話番号)
 - 価格表示と送料
 - 支払方法と発送時期
 - 返品・交換の条件
 
テンプレートを用意しておくと新商品を出すたびに使い回せます。分かりやすい言葉で短くまとめることがポイントです。
トラブルを防ぐ保険と対応の準備
保険加入を検討することで商品の不具合や事故時の対応が楽になります。PL保険や賠償責任保険など、補償範囲や免責事項を確認して選んでください。
トラブル時には返品対応や返金フローを事前に決めておくと対応が早くなります。連絡窓口と応対マニュアルを簡単に用意しておくと良いでしょう。
販売開始後に行うべき運用チェック
販売を開始したら、定期的に次の点をチェックしてください。
- 顧客からのフィードバックやクレーム状況
 - 在庫と原価の変動
 - 表示や法令の変更点の確認
 - 税務書類の整理とバックアップ
 
定期チェックで早めに問題を見つけ、改善していくことが長く続けるコツです。
自分で作った服を売る際に押さえておきたいポイント
販売を続けるうえで大切なのは信頼と継続性です。品質表示や問い合わせ対応を整えておくと購入者の安心につながります。まずは小さく始めて反応を見ながら改善していきましょう。
ブランドや商品説明は統一感を持たせ、写真やサイズ表は分かりやすくしてください。税務処理や保険の検討も早めに行い、必要な届出は漏れなく行いましょう。何か不安がある場合は窓口で相談することで安心して販売を続けられます。
