コーポレートサイト改善の進め方|直す順番を決める1枚のリストの作り方

コーポレートサイトの改善は、サイト全体を作り直さなくても始められます。いまあるページの中から見る場所を5つに絞り、直す順番を1枚のリストにするところからです。

ホームページを全面リニューアルするかどうかは、その順番が並んでからでも決められます。見積りを待つあいだに、自分の手で進められる分が見えてきます。

この記事では、コーポレートサイト改善の進め方を、見るページの選び方・4つの点検項目・表示速度とスマホ対応の測り方・直す順番をAIに並べてもらう指示文の順にご紹介します。読み終えたときに手元に残るのは、今月やる3つが決まった1枚のリストです。

目次

コーポレートサイト改善はどこから手を付けるのか

改善が止まるのは順番が決まっていないから

さき「会社のサイトを直したいんです。でも、気になる所が多すぎて、どこからやるか決まらないまま半年たちました」 アルル「よくいただくご相談です。気になる所の数ではなく、順番が決まっていないのが止まる理由なんです」 さき「順番……写真から直すのか、文章から直すのか、ということですか」 アルル「そこも含めてです。先に決めるのは、読む方の判断が変わる所。写真の入れ替えは、そのあとで間に合います」

気になる所が20個あっても、上から3つが決まっていれば作業は進みます。止まってしまうのは、気になる所の数が多いからではなく、どれを先にするかが決まっていないからです。

会社のサイトを開く方は、問い合わせをする方だけではありません。取引の前に会社を確かめる方、求人に応募する方、見積りを比べている方も、同じページを見ています。

立場がちがっても、確かめていることはほとんど同じです。何をしている会社か、いまも動いているか、どこに連絡すればよいか。この3つが読み取れないページから順に直していきます。

改善の効果が出やすい4つの点検項目

改善の効果が出やすいのは、次の4つです。

点検項目確かめ方そのままだと起きること
事実が今のものか会社概要・取扱い・料金の表記を読む読んだ方の判断が変わる
次にすることが1つあるかページの終わりの案内を見る読まれても連絡が来ない
スマホで読めるか自分のスマートフォンで開く検索で使われるのもスマホ版の文だけ
表示が速いかPageSpeed Insightsで測る開ききる前に閉じられる
さき「事実が古いのがいちばん上なんですね。見た目の話だと思っていました」 アルル「古い数字は、読んだ方がまちがったまま判断してしまうので最初に直します。見た目は、そのあとでも取り返せます」

いちばん上に事実を置くのは、古い数字が残っていると、読んだ方の判断そのものが変わってしまうためです。デザインの古さは印象の問題ですが、人数や取扱いのまちがいは、問い合わせの前に候補から外れる理由になります。

4つのうち上の2つは、文章を入れ替えるだけで今日のうちに手を付けられます。下の2つは、測って数字にしてから順番に入れます。

作業は4段階で終わる

順番を決める作業は、次の4段階です。

①見るページを5つに絞る

②1ページずつ4つの目で書き出す

③表示速度とスマホの見え方を1回だけ測る

④AIに直す順番を並べてもらう

目指すのは、上から片づけていける1枚のリストです。立派な計画書ではなく、今月の作業の順番が分かるものを作ります。

この記事では、食品のネットショップを6人で運営している会社を例にします。商品を売るショップとは別に会社案内のサイトがあり、取引先のご担当者さまと求人に応募する方が見ている、という想定です。

見るページを5つに絞って今の状態を書き出す

どのページから見ればよいのか

サイト全体を見ようとすると終わりません。次の5ページだけに絞ります。

  1. トップページ
    何をしている会社かが最初に出る場所です
  2. 事業内容またはサービスのページ
    見積りを比べている方が必ず開きます
  3. 会社概要
    取引の前に確かめられる項目が並んでいます
  4. お問い合わせ
    連絡の手前で止まっていないかを見ます
  5. いちばん多く開かれているページ
    GA4で、最初に開かれたページの一覧から選びます

5つ目だけは思い込みで決めません。GA4のランディング ページは「セッションの最初のページビューに関連付けられたページパス」なので、検索から入ってくる方の入口がそのまま並びます。

さき「会社概要が3番目に多かったです。取引先の方が見てくれているのかな」 アルル「その可能性は高いです。会社概要がよく見られている会社は、そこを先に直す価値があります」

入口になっているページの選び方は、集客力のあるホームページの記事でもご紹介しています。あわせて読むと、1ページの中の直し方まで決められます。

1ページずつ4つの目で書き出す

5ページを決めたら、1ページずつ見て気づいたことを書き出します。この時点では直し方を考えません。気づいたことだけを残します。

ページ事実次にすること気づいたこと
トップ受賞の年が3年前のままお問い合わせだけ何を扱う会社か書いていない
事業内容今のもの無い卸と小売が1ページに混ざっている
会社概要人数が前の人数のまま無い設立・所在地はそろっている
お問い合わせ—送信ボタン電話番号が文字で押せない
ギフトの紹介今のものネットショップへいちばん多く開かれている

書き出すときは、Googleの検索セントラルに出ている自己評価の質問が使えます。「メインの見出しやページタイトルは、内容を要約して説明する有用なものか」「明らかな事実誤認がないか」「誤字やスタイルの問題がないか」の3つを、ページごとに当ててみてください。

さき「人数が前のままでした。あと、電話番号が画像になっていて、スマホで押せません」 アルル「どちらもすぐ直せます。電話番号は文字で書くだけで押せるようになるので、半日の作業でもありません」

電話番号を画像で置いているサイトは少なくありません。文字として書き直すだけで、スマートフォンから指で押して発信できるようになります。

表示速度とスマホ対応を1回だけ測る方法

PageSpeed Insightsで測って目安と比べる

表示速度は、感覚ではなく1回だけ測って数字にします。GoogleのPageSpeed Insightsに、選んだページのURLを入れるだけです。

出てくるのは2種類のデータです。

  • フィールドデータ
    /実際に見た方のデータです。過去28日間ぶんが集まったサイトで出ます
  • ラボデータ
    /条件をそろえた計測です。スコアは90以上が良好、50〜89が改善が必要とされています

アクセスの少ないサイトではフィールドデータが出ないことがあります。そのときはラボデータだけを見ます。

📚 用語解説:Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)

ページの見やすさを3つの数字で表した目安です。公式の案内では、LCPはページの読み込みが始まってから2.5秒以内、INPは200ミリ秒以下、CLSは0.1以下が目安とされています。

LCPは大きな画像や見出しが出るまでの時間、INPは押してから画面が反応するまでの時間、CLSは読んでいる途中で文字がずれる量です。評価は、スマホとパソコンに分けて、ページ読み込みの75パーセンタイルで見るのが適切なしきい値とされています。

さき「LCPが4.1秒でした。これは遅いほうですか」 アルル「目安の2.5秒は越えています。ただ、速さは順番の中では下のほうにしてかまいません。文章のまちがいより後です」

測った数字は、順番を決める材料として使います。表示速度の改善はサーバーや画像の作り直しを伴うことが多く、文章の直しより時間がかかります。測った日と数字だけ、さきほどの表の下にメモしておきます。

スマホ対応は3つだけ確かめる

次に、自分のスマートフォンで5ページを開きます。見るのは3つだけです。

  1. パソコンにある文がスマホにもあるか
    スマホ版で消している文がないかを見ます
  2. 電話番号とボタンが指で押せるか
    画像になっている番号は押せません
  3. 横に動かさずに読めるか
    表が画面からはみ出していないかを見ます

⚠️ スマホ版に無い文は検索でも使われません

Googleは、スマートフォン エージェントでクロールしたモバイル版のページを、インデックス登録とランキングに使っています。これをモバイルファースト インデックスと呼びます。

公式の案内では、モバイル版のコンテンツがパソコン版より少ない場合、モバイルサイトに表示されるコンテンツのみがインデックス登録に使用され、ある程度のトラフィック減少が予想されるとされています。スマホで非表示にした説明文があるなら、改善リストの上のほうに入れます。

さき「スマホだと会社概要の表がはみ出していました。パソコンでは気づきませんでした」 アルル「パソコンだけで確かめると、ここは見つかりません。測るのも見るのも1回ずつで終わります」

パソコンの画面だけで点検すると、ここは見つかりません。測るのも開いて見るのも、1回ずつで終わります。

改善リストをAIに並べてもらう指示文

材料をそのまま貼って順番を付けてもらう

材料がそろったら、順番に並べるところをAIに頼みます。新しいチャットを開いて、次の指示文を貼ります。かっこの中を自分の会社に書き換えてください。

【ChatGPTへの指示】

自社のコーポレートサイトの改善リストを作ってください。直す順番を付けてください。

■材料(ここに無いことは書かない)
・会社:[食品のネットショップを6人で運営。卸と小売の両方]
・サイトを見る方:[取引先のご担当者さま][求人に応募する方][ギフトを探すお客様]
・5ページの状態:[書き出した表をそのまま貼る]
・速さ:[LCP 4.1秒/ラボデータのスコア 48(スマホ)]
・スマホで見たこと:[電話番号が画像で押せない][会社概要の表がはみ出す]

■形
・10項目まで。1項目は「直すページ」「直すこと」「だれがやるか」「どれくらいかかるか」の4つで書く
・順番は、読む方の判断が変わるものを先にする
・自分の手で直せるものと、作った会社に頼むものを分ける
・材料に無いことは【要確認】と書く

■入れないこと
・「全面リニューアル」のようなまとめ方
・効果の数字(何%増える など)

さき「『全面リニューアルを入れない』と書いてあるのが面白いです」 アルル「書いておかないと、まとめて作り直す案が1行目に来ることがあるんです。それでは順番が決まりません」

「全面リニューアルを入れない」の1行は、省かないでください。この行が無いと、まとめて作り直す案が1行目に並び、順番が決まらないまま終わってしまいます。

返ってきたリストは、そのまま使いません。かかる時間と担当だけ自分の目で見ます。【要確認】と書かれた所は社内で確かめて、自分で入れます。

今月やる3つの選び方

10項目を全部やろうとすると、また止まります。今月やる3つだけを残します。

  • 読む方の判断が変わるか
    /古い人数や取扱いのまちがいは先に直します
  • 今週のうちに終わるか
    /半日で終わらないものは、今月のリストから外します
  • 自分の手で直せるか
    /頼むものは、見積りを待つあいだに手元の分を進めます

例にした会社では、①会社概要の人数を今の人数に直す、②電話番号を文字にする、③トップページの1行目に扱っている物を書く、の3つになりました。どれも半日で終わる作業です。

さき「作り直しの見積りを待つあいだに、これだけでも終わりそうです」 アルル「そこが狙いです。順番が決まっていると、見積りの中身も読めるようになります」

順番が決まっていると、制作会社からの見積りも読めるようになります。「この項目は見積りの中に入っているか」を1つずつ照らし合わせられるためです。

1か月後に見る数字

3つを直したら、1か月後に同じところを見ます。

  • Search ConsoleのCTR
    /クリック数を表示回数で割った数です。既定で出るのは過去3か月ぶんです
  • GA4のエンゲージメント率
    /10秒以上の滞在・キーイベント・2ページ以上の閲覧のどれかがあったセッションの割合です
  • PageSpeed Insightsのフィールドデータ
    /過去28日間ぶんのデータなので、直した翌日にはまだ変わりません
さき「速さの数字は、すぐには動かないんですね」 アルル「はい。28日ぶんがたまってから見るものです。急いで何度も測らなくて大丈夫です」

表示速度の数字は、直した翌日には動きません。28日ぶんのデータがたまってから見るものなので、何度も測り直さなくて大丈夫です。

少人数の会社のコーポレートサイト改善の考え方

全面リニューアルは順番が並んでから決める

少人数の会社では、サイトに手をかけられる時間がかぎられます。全面リニューアルはまとめて片づく気がする一方で、決めることが一度に増えます。何を伝えるかが決まらないまま始めると、打ち合わせの回数だけが増えていきます。

アルル制作所は、サイトの改善を「作り直すかどうかの決断」だとは考えていません。いまのサイトで直せることを順番に並べて、上から片づけていく作業です。並べてみて、上の3つが作り直しでしか直らないと分かったときに、はじめてリニューアルの話をします。

決めた順番はサイトの外でも使える

5ページを見て書き出した材料は、サイトの外でも使えます。

  • 会社案内の紙の資料に載せる会社概要
  • 求人を出すときの会社の説明
  • 取引の前に送る1枚の紹介

同じ事実がどこでも同じように書かれていると、どの経路で出会った方にも同じことが伝わります。AIが答える検索でも、自社のページに同じ事実が書いてあることが手がかりになります。この考え方はGEO対策とはの記事でくわしく扱っています。

さき「会社概要を直したら、求人の文もそのまま直せますね」 アルル「いいところに気づきました。直すのは1か所でも、使いまわせる場所は3つ4つあります」

直すのは1か所でも、使いまわせる場所は3つ4つあります。書き出した材料は、消さずに残しておいてください。

自社のサイトで一緒に進めたいときは、アルル制作所のAI家庭教師でも対応しています。1回2時間で、見る5ページを選ぶところから改善リストまで、ご自分の会社のサイトで作れます。

まとめ

コーポレートサイト改善の進め方として、直す順番を1枚のリストにするやり方をご紹介しました。

✔️ 止まる理由は数ではなく順番。先に決めるのは読む方の判断が変わる所です

✔️ 見るのは5ページだけ。5つ目はGA4で最初に開かれたページから選びます

✔️ 表示速度とスマホ対応は1回だけ測る。目安はLCP2.5秒以内・INP200ミリ秒以下・CLS0.1以下です

✔️ スマホ版に無い文は検索でも使われない。非表示にした説明文は上のほうに入れます

✔️ 今月やるのは3つまで。半日で終わらないものは今月から外します

よくある質問

Q. コーポレートサイトの改善はリニューアルから始めるものですか?
A. 作り直しを決める前に、いまのページで直せることを順番に並べられます。

並べたうえで、上の3つが作り直しでしか直らないと分かったときに、リニューアルを考えます。

Q. ホームページ改善はどのページから手を付ければよいですか?
A. トップ・事業内容・会社概要・お問い合わせと、いちばん多く開かれているページの5つに絞ります。

5つ目は、GA4のランディング ページで、最初に開かれたページの一覧から選びます。

Q. サイトの表示速度はどれくらいを目指せばよいですか?
A. 公式の案内では、LCPは2.5秒以内、INPは200ミリ秒以下、CLSは0.1以下が目安とされています。

評価は、スマホとパソコンに分けて、ページ読み込みの75パーセンタイルで見るのが適切なしきい値とされています。

Q. スマホ版だけ説明文を減らしても問題はありませんか?
A. Googleの公式の案内では、モバイル版のコンテンツがパソコン版より少ない場合、モバイルサイトに表示されるコンテンツのみがインデックス登録に使用されるとされています。

ある程度のトラフィック減少が予想されるとも書かれているので、スマホで非表示にしている説明文は戻します。

Q. コーポレートサイトの改善にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. この記事の進め方なら、5ページの点検と測定で半日ほど、今月やる3つの作業がそれぞれ半日ほどです。

半日で終わらない項目は翌月に回し、制作会社に頼む分は見積りを待つあいだに手元の分を進めます。

自社の仕事に当てはめて、一緒に作りませんか

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アルル制作所のAI活用セミナーとAI家庭教師の様子

アルルのAI家庭教師……社員の皆さんと一緒に、1回2時間で御社の業務をAIに任せる形を作ります。
社長向けAI家庭教師……予定・連絡・経理・SNSなど、社長の仕事をAIに任せる環境を社長だけのために作ります。

ポストしてくれるとうれしいです

この記事を書いた人

岩永奈々のアバター 岩永奈々 取締役・クリエイター

世界を旅するきゅうり大好きクリエイター🛫デザイン歴25年。
みんながハッピーになる企業のマーケティングを研究中。Canva+AI導入+SNS運用+商品企画+商品キット制作+映え壁作りならお任せください!映画・テレビドラマ美術協力&衣装協力35本突破! 工作、手芸、ピアノ、カラオケ大好きな元バンドマン。講師依頼もお待ちしています。

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