AIが書いた文章のチェック方法|確かめる係を分ける検算プロンプト

AIが書いた文章のチェックは、書いたのとは別のチャットか別のAIに頼むと、まちがいが見つかりやすくなります。文を作ったときのやりとりを知らない相手に読んでもらうのがポイントです。
AIが作ったお知らせを出したあとで、年や曜日のまちがいを指摘された。詳しくない分野の文だと、自分では気づけない。そんなときに使える、確かめる係の置き方と検算プロンプトの全文を紹介します。ChatGPT・Claude・Geminiのふつうのチャットだけでできます。
AIが書いた文章を同じチャットでチェックすると見逃しやすい
なぜ同じチャットでは見つかりにくいのか

同じチャットには、文ができるまでのやりとりがすべて残っています。見直しを頼んでも、AIはその流れを前提に読みます。書いた本人が自分の文を読み返すのと似た状態です。
「さくら洋菓子店」という架空のお店の例で見てみます。創業祭のお知らせ文をAIに頼んだ場面です。
| 場面 | 中身 |
|---|---|
| 頼んだこと | 創業祭のお知らせ文を書いてください。創業は1998年。11月14日から3日間。ゆずサブレを数量限定で出します |
| AIが書いた文の一部 | 1989年の創業以来、地域で一番愛されてきた当店は、11月14日(金)より創業祭を開催します |
| 同じチャットで確かめたとき | 「内容を確認しました。問題はありません。読みやすいお知らせ文になっています」 |
この文には3つの問題があります。創業の年が1998年から1989年に変わっています。2026年11月14日は土曜日です。「地域で一番」は、頼んだときの材料にありません。
実際の会社でも、書いた本人とは別の方が読むとまちがいが見つかります。AIにも同じ役割分担をしてもらいます。
チェックの3つの段階
やることは3つです。
- 書く係のチャットで文を作る
- 別のチャットか別のAIに検算プロンプトと一緒に貼る
- 「要確認」になった点を自分で元の資料に当たる
AIに正しさを保証してもらうのではありません。自分が確かめる場所を短い時間でしぼり込むための手順です。
確かめる係を別のチャットか別のAIに置く方法
新しいチャットを開くだけでよいのか

ChatGPTにはメモリという機能があり、新しいチャットでも前の話が参考にされることがあります。確かめる係は、文を作ったときのやりとりを知らない状態にしておきます。
| 置き場所 | やり方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 別のAI | 書くのがChatGPTなら確かめるのはClaudeかGemini | いちばん確実に切り離したいとき |
| 同じツールの一時チャット | ChatGPTの一時チャットを開く。メモリを使わない設定を選べる | 契約しているツールが1つだけのとき |
ChatGPTの一時チャットは、メモリを新しく作らず更新もしないチャットです。始める前に、いまあるメモリを使うかどうかを選べます。
ClaudeとGeminiは無料のプランでもチャットが使えます。回数にはプランごとの上限があるので、公式の案内を確認してください。
⚠️ 会社の決まりを先に確かめる
別のAIに文を貼る前に、会社でそのAIに入れてよい情報かどうかを確かめます。
お客様のお名前や金額は「A社」「○円」のように置き換えてから貼ると安心です。
3手で渡す手順
- 書いた文をコピーする
書く係のチャットから、提出する文だけをコピーする
- 確かめる係を開く
別のAIか一時チャットを開く。書く係のチャットは閉じなくてよい
- 検算プロンプトと文を貼って送る
頼んだときのメモなど、元の材料があれば一緒に貼る

材料を一緒に渡すと、材料と文の食い違いまで拾ってもらえます。創業の年のようなまちがいは、ここで見つかります。
ファクトチェックに使える検算プロンプトの全文
5つの点を表で返してもらう
確かめる係に渡すプロンプトです。[ ]の中を書き換えて、そのまま貼って使えます。
あなたは提出前の文を点検する係です。下の【文】を読み、次の5つを点検してください。
1. 事実(できごと・制度・しくみの説明)
2. 数字(金額・個数・割合・年数)
3. 固有名詞(会社名・人名・商品名・地名)
4. 日付(年月日・曜日・期間)
5. 言い過ぎ(根拠のない「一番」「必ず」「すべて」など)結果は表で返してください。列は「番号/種類/文中の表現/判定/理由/確かめる先」です。
判定は「材料と一致」「要確認」「食い違い」の3つから選んでください。守ってほしいこと
・文をほめたり書き直したりしない。点検だけを行う
・【材料】に無いことは、正しそうに見えても「要確認」にする
・自信がないことを「正しい」と言わない
・曜日はカレンダーと合っているか計算する【文の用途】[お客様向けのお知らせ/提案書/社内の報告 など]
【材料】[文を頼んだときのメモや元の資料を貼る。無ければ「なし」]
【文】[AIが書いた文を貼る]
さくら洋菓子店のお知らせ文を渡したときの返り方の見本です。説明用に作ったもので、実際の出力を写したものではありません。
| 種類 | 文中の表現 | 判定 | 理由と確かめる先 |
|---|---|---|---|
| 数字 | 1989年の創業 | 食い違い | 材料は1998年。開業届や会社案内で確かめる |
| 日付 | 11月14日(金) | 食い違い | 2026年11月14日は土曜日。カレンダーで確かめる |
| 言い過ぎ | 地域で一番愛されてきた | 要確認 | 材料に根拠が無い。根拠を出せなければ削る |
| 固有名詞 | ゆずサブレ | 材料と一致 | 商品札の表記と同じかを確かめる |

確かめる係は、文ができた流れを知りません。材料と文だけを見比べるので、食い違いがそのまま表に出ます。
Web検索で確かめてもらうときは
材料に無い事実(法律の名前・制度の金額・他社の情報)は、Web検索で調べてもらうこともできます。ChatGPTとClaudeには、チャットの中でWebを検索する機能があります。プロンプトの最後に次の2行を足します。
「要確認」のうち事実と数字は、Webで検索して確かめてください。
公式サイトなど一次情報のURLを付け、見つからなければ「見つからない」と書いてください。
検索の結果にもまちがいは入ります。URLが付いていたら、開いて自分の目で読みます。
要確認になった点を自分で確かめる順番
どこから確かめればよいのか
検算の表は、まちがいを直してくれるものではなく、自分が確かめる場所の一覧です。「食い違い」と「要確認」の行を、外に出たときに困る順に見ていきます。
- 数字と金額
見積書・料金表・契約書など、元の資料と見比べる
- 日付と曜日
カレンダーを開いて、年月日と曜日が合っているかを見る
- 固有名詞
会社名・お名前・商品名は、名刺や公式サイトの表記と1字ずつ見比べる
- 事実
制度やしくみの説明は、公式サイトなどの一次情報を開いて読む
- 言い過ぎ
根拠を出せるかを考える。出せなければ、その言葉を削る

表に出なかった行が正しいとは限りません。数字とお名前だけは、表の結果に関係なく自分で見てから出します。
直したあとはどうするか
見つかったまちがいは、書く係に頼まず自分の手で直します。「直して」と頼むと、ほかのところまで書き換わることがあるためです。
直した文は、確かめる係にもう一度渡します。「食い違い」が0になり、「要確認」が自分で確かめ終わった行だけになったら提出します。
レポートの数字を専用のしくみで点検している例は、楽天広告のレポートをAIで作る方法で紹介しています。
自社でよく出す文書に合わせて点検の項目を決めたいときは、アルル制作所のAI家庭教師で、実際の文書を使いながら一緒に作れます。
まとめ
AIが書いた文章のチェック方法を、確かめる係を分ける手順と検算プロンプトで紹介しました。
✔️ 同じチャットでの見直しは見逃しやすい。文を作った流れを前提に読むため
✔️ 確かめる係は別のAIか一時チャットに置く。作ったときのやりとりを知らない状態で読んでもらう
✔️ 検算プロンプトで5つの点を表にする。事実・数字・固有名詞・日付・言い過ぎ
✔️ 材料も一緒に貼る。材料と文の食い違いが見つかる
✔️ 「要確認」は自分で一次情報に当たる。数字と金額から順に確かめる

よくある質問
Q. AIが書いた文章のチェックは、同じAIに頼んでもよいですか?
A. 頼めます。その場合は、作ったときのやりとりを引き継がないチャットを使います。ChatGPTなら一時チャットがあります。ツールを2つ契約しているなら、別のAIに渡すほうが確実です。
Q. 確かめる係が「材料と一致」と答えたら、そのまま提出できますか?
A. そのままの提出はおすすめしません。確かめる係もAIなので、見逃しはあります。数字・金額・お名前は、表の結果に関係なく、元の資料と自分の目で見比べてから出します。
Q. 元の材料が無い文章でもファクトチェックできますか?
A. できます。【材料】に「なし」と書くと、事実・数字・固有名詞がすべて「要確認」として並びます。その一覧を、自分で確かめる場所のリストとして使います。
Q. 費用はかかりますか?
A. ChatGPT・Claude・Geminiには無料で使えるプランがあり、文を貼って点検してもらうことはできます。回数や機能にはプランごとの上限があるので、公式の案内を確認してください。
Q. 社内で提出前の点検を決まりにしたいのですが、手伝ってもらえますか?
A. アルル制作所では、御社でよく出す文書に合わせて、点検の項目とプロンプトを一緒に作るお手伝いをしています。「どの文書から始めればよいか分からない」という段階からご相談ください。
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